なかなか読み応えがありました
★★★★☆
本誌は、いよいよ公開となる「K-20 怪人二十面相・伝」に先立つ形で
刊行されたものですが、なかなか読み応えがある内容でした。
僕たちの好きな明智小五郎や金田一耕助では、作品についての解説記事
が紙面のほとんどを占めていましたが、本誌では二十面相についての研
究記事が紙面の中心となっています。
この研究記事ですが、一部にはもう少し突っ込んで欲しい記事もあるもの
の概ね良好なものが多く、二十面相の原作における「変装・かぶりもの一
覧」、「予告状一覧」といったリストもなかなかのものでした。
また、研究記事以外にも、手品師のナポレオンズによる原作のトリック
の簡単な再現やグリコ森永事件の解説、「二十面相の娘」の小原慎司氏
による1ページの書き下ろしなど様々な要素が本誌に詰められています。
(ただ、清涼院流水氏の大説はあまり面白くはありませんでした。)
本誌は「二十面相とは一体どういう人物でなのか?」を再認識・再確認
するための読み物としては充分合格点のものであると思います。