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一千一秒物語 (新潮文庫)

価格: ¥662
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
自己完結するオブジェへの偏愛 ★★★★★
稲垣足穂を知ったきっかけは、もう一人私の敬愛する作家、澁澤龍彦が「夢の宇宙誌」の献辞に「わが魔道の先達、稲垣足穂氏に捧ぐ」と記されていたのが初めだったと思います。
それから図書館で検索して「一千一秒物語」を見つけ、澁澤氏の壮大な著作を捧げるのにふさわしい作家だと、納得しました。
月や星の世界に似合うのは、無骨な現代のロケットより、ダビンチが手稿で描いたような美しいデッサンの完璧なオブジェとしての飛行機でしょう。そんな飛行機は墜落して自己完結するほかないとしても。
そんな、純粋なオブジェとしての美の世界に属するものがこの作品にはたくさんこめられています。
コンパス、坂道の帽子屋、カレイドスコープ・・・口にするだけで胸がドキドキするようなイマジネーションを誘う存在に気づかせてくれました。
復刻版 ★★★★☆
大正十二年発行の初版の復刻版
文庫本もでていますが
改訂されている箇所が何箇所かあるようです。

ちなみにアマゾンでの画像は裏表紙です。
表紙には

勧誘!!!
コヽア色の藝術の葉を最も
手軽なものにしやうとペーパーに卷い
てみたのがこの新しい煙草である 
どんな味がするか? ためしに
一本吸って見給へ!

と書いてあります。(改行もママ)
タルホロジカ豪華本 ★★★★★
巻末の用紙データによると、

カバー:オパール(白茶)、ホログラムホイルH014+コッパーNo.116
表紙:トーヨーコットン(純白)
見返し:オパール(白茶)
前付:トーヨーコットン(しろ)
本:オパール(ぞうげ)
本文:1〜8頁:オパール(うす鼠)
後付:トーヨーコットン(すずらん)
帯:オパール(白茶)・GK版つや消し金No.43
読者カード:エンドル
スリップ:エンドル
透鏡:ジェットエンボス
虚空頌:トーヨーコットン(純白)

という、超豪華製本。1990年5月15日初版発行の初版本が、現在も全く古びていません。それはあたかも巨人・足穂の作品が大正時代から全く色あせないかのごとくです。この本の価格が消費税導入以前であるにもかかわらず「一千一秒」にひっかけた3,001円というのも、企画者の洒脱が感じられる一冊です。
「飛行」少年が、星くずを集めてびん詰にしたような作品群 ★★★★☆
解説によると、稲垣足穂は飛行家になりたかったらしい。
空にあこがれ、雲の間を複葉機で自在に飛び回る夢は叶わなかったが、
星や月や天空と、自分の心との距離とは、自在な空想力によって近づいたようだ。
 
――夜更けの街の上に星がきれいであった
たれもいなかったので 塀の上から星を三つ取った
−家へ帰ってポケットの中をしらべると 星はこなごなにくだけていた 
Aという人がその粉をたねにして 翌日パンを三つこしらえた
(「一千一秒物語」より)――
 
なぜ月は天空を回るのか?なぜ星はこんなにたくさん夜空に見えるのか?
人は知識として聞いて、わかったフリをしているだけ。

月がある、星がある、その存在だけで不思議な現象なのだから。
ほうき星がビールびんの中に入ったり、お月様を食べてみたりといった作中の現象も、
現実世界では未だ遭遇したことはないかもしれないけど、
不思議な世界への扉は、ある日突然自分にだけ開くかもしれない。
自分さえ心を空に向かって開いてさえいれば、ね。
…そんな気分にさせてくれる本です。
夢を紡ぐ一千一秒物語 ★★★★★
一千一秒物語は、1923年(関東大震災の年)の1月に金星堂から刊行された『稲垣足穂』の処女作品集でありますが、透土社発行の一篇一冊物語双書(初版本・旧仮名遣い)は、本文組版を写真製版で再現した本で手もとから離れる事無く繰り返し読んでいます。そうした大正ロマン溢れる文面もなかなか味わい深いものがありますが、この絵本は『たむらしげる』氏の個性的なイラストと現代風にアレンジされた文面が一服の絵と共に独特のフィーリングを醸しだしているエイジレスの絵本として素晴らしい出来と思います。イラストを味わいながら大正ロマンの心癒される文面で、今の世知辛い世の中の悪しき事を一瞬でも忘れさせてくれる、そんな夢を紡ぐ一千一秒物語!です。
志茂田景樹の読み聞かせ本屋さん ★★★★★

足穂を知らなきゃファンタジーを読むな!究極に凝集された世界がつぎつぎに現れますよ。
水虎堂 ★★★★★
なんだか分からないけど面白い。これがタルホの作品である。意味不明な作品は途中で投げ出してしまうのが常だが、タルホの文章だけは分からないなりにも最後まで読めてしまうのだ。それはおそらく、言葉の魅力によるところが大きいと思う。
「一千一秒物語」をはじめて読んで驚いた。これが小説なのか?ヤマもオチもないし、それにあまりにも短すぎる!だが一度読んで以来、再読をあまりしない私が何度も読み返す数少ない作品のひとつとなった。戦前の作品とは思えない軽妙でモダンな文体、天体と人間が当たり前のように会話し喧嘩をやらかす遠近法の崩れた世界観、作者をして、のちの自作はすべてこの作品の説明書と言わしめた奇書である。
煙草は肺に悪いが、この言葉のシガレットは何度試しても心の薬になるだけ。是非ご賞味あれ!
白色読書録 ★★★★★
表題作「一千一秒物語」の他にいくつかの短編中篇が収録されています。どれもこの上なく素敵でたまらないのですが、言葉がかなりムツカシイ。完全に理解することができないので、とりあえず美味しいことばの表面をちびちび舐めている状態。いつか理解したい。
乱読堂★浪人生経営★ ★★★★★
これはもうやみつきになります。今夜もまたタルホワールドへ・・・
月神の図書館 ★★★★☆
宇宙とかファンタジーとか、はたまた両性具有に至るまで独特の世界観を持つ足穂先生。長野まゆみや三浦しをんは彼の世界を受け継いでいるのでしょうか。
山のオババ堂 ★★★★★
様々な面があるタルホワールド、楽しいのは一千一秒物語。以前どんなところかと、トア・ロードを訪ねてみましたが、普通の商店街でした。
雪渓堂第七分館 ★★★☆☆
少年愛、数学、天体、ヒコーキ、妖怪…近代日本文学の陰湿な体質を拒否し、星の硬質な煌きに似たニヒリスティックな幻想イメージによって、新しい文学空間を構築する“二十一世紀のダンディ”イナガキ・タルホのコスモロジー。表題作のほか『黄漠奇聞』『チョコレット』『天体嗜好症』『星を売る店』『弥勒』『彼等』『美のはかなさ』『A感覚とV感覚』の全9編を収録する。
ワンダーブック ★★★★★
「何をちょこざいなお月さま」「さあこい!」ねらいをつけとズドン!(『お月様とけんかした話』)
幻想文学館 ★★★★★
とりあえずタルホ・ワールドを俯瞰するならこれ!
月夜書店 ★★★★★
夜と月の妖しげな匂いに包まれながら疾走する、幻燈のような短編の表題作はじめ、独自の世界を展開する、”稲垣足穂ワールド”。
BukuBuku☆マキマキ ★★★★★
☆を見ながらの夜歩きが好きな人は、きっと気に入る筈です。タルホワールドへようこそ・・
ナマケモノの書店 ★★★★★
初めて手にした「イナガキタルホ」。イナガキ作品で最初に気にかけ始めたのは「少年愛の美学」でしたが、当時書店で扱われていたのがこの本でした。殆ど妥協で手にとりましたが、「少年愛の美学」以上に気に入っています。何度読んでもいいです。星や月、メルヒェンを感じます。
ふかよみどう ★★★★★
星をひろった話、ハーモニカを盗まれた話、お月様とけんかした話、雨を射ち止めた話、ニュウヨークから帰ってきた人の話、土星が三つ出来た話――暖かな銀星の今夜、月が見えない。
ライトタイム書店 ★★★★☆
稲垣足穂は日本のファンタジーのひとつの完成形です。まずは一度、代表作を読むことをお勧めします。