大人の陽気さを楽しめるアルバムです
★★★★★
1曲目、テナーバンジョーをかき鳴らす音に、トロンボーン、トランペット、クラリネットの音色が加わり、いつもの高田渡の歌声が乗ってくる。間奏ではクラリネット、ベース、トランペットが飛び跳ねる。標題曲「ヴァーボン・ストリート・ブルース」がこれからの楽しいひと時を予感させる。
高田渡のボーカル中心であり、高田渡のアルバムに違いないのだが、このアルバムはヒルトップ・ストリングス・バンドのアルバムだ。メンバーは、小林清、大庭昌浩、高田渡、佐久間順平。ほかに、外山義雄(トランペット)、後藤雅広(クラリネット)、池田幸太郎(トロンボーン)、池田光夫(バンドネオン)がサポートする。オリジナル発売は1977年。
高田渡の弾き語りが2曲、メンバー4人の演奏が2曲、サポートメンバーを加えたものが7曲。陽気だったり、しんみりしたりの全11曲。いずれも、人の波長にぴったりする歌声と演奏だ。
私ごとだが、発売当時に、今はない渋谷のジャンジャン昼の部でこのライブを聴いて、それまでの渡さんと違うと思ったり、しかし後で、やっぱりおんなじだと思ったりしたことが思い出される。
サウンド構成としては、デキシー風と当時言われたような気がするが、「タカダワタルテキ」に倣えば「ヒルトップテキ」以外の何者でもない、楽しいアルバムである。再発されたこの機会に是非、とお勧めします。