ポリティカル・アクション巨編「皇帝のいない八月」の公開時に発売されたサントラ盤LPを、初CD化したデジタルリマスタリング収録盤。
映画音楽ならではのスケール感、スリリングでダイナミックなオーケストレーション音楽を中心に構成。
ゆったりとした優雅な主題のメロディが聴きものです。

映画音楽界の巨匠・佐藤勝さんの、黒沢作品などのジャズとはまた違った面を聴くことのできる一枚。
パトカーや機関銃、ブルートレイン特急さくら号の発車アナウンス、セリフ入りも当時のサントラLPレコードならでは。
映画の雰囲気が甦ります。
そして、ケースも当時の紙ジャケット＋解説書をCDサイズで復元。
それに加えて、今回のCD化にあたっての解説書も別紙で追加して封入されています。

トラックとしては、レコード時のA面が第１部、B面が第２部でそれぞれ１トラックになっていて、
映画のセリフや効果音をはさんで各トラック内に数曲が入っていますが、そのセリフが音楽に重なっているところもあります。

収録曲：
１．　第１部(00:18:14)
２．　第２部(00:18:52)

とにかく、初めてＣＤ化されて、きれいな音で聴けるようになったのは喜ばしい限りですが、
欲を言えば、純粋に音楽をマスターテープからデジタルリマスタリングして、初商品化音源収録の完全盤をリリースして欲しかった！
で、それに加えて、当時のLP収録版をボーナストラックかボーナスディスク２枚組みにするとか、そこまでやって欲しい！

以前から「皇帝のいない八月」ファンでした。
VHSソフトも、数年前に出たDVDも持っています。
もちろん重厚な佐藤勝の音楽も大好きで、今回出たサントラも即買いました。
壮大なスケールのフルオーケストラの演奏、しかもリマスターによるクリアなサウンド、いいですね。
往年のサントラ盤を忠実に復刻したそうですが、音楽の合間に本編のセリフが入っているのがちょっと違和感ありました。でも、公開当時はビデオソフトなんてない時代ですから、こういうサントラ盤で劇場で鑑賞した余韻を楽しんでいたんですね。
純粋に音楽を楽しむには、セリフはちょっと「ジャマだな」と初め思いましたが、往年の名優の息遣いが伝わってくるのもいいものです。
今度は是非、本編のデジタルリマスター版をブルーレイで出してもらいたいものです。