反転の焼き直し
★★☆☆☆
人心収攬術に長けた人がたくさん出てきます。
そういう人は(頭脳、能力に関わりなく)のぼりつめていき、
世の中を動かしていく。(この本では人間学=人心収攬術と
見るのが良いと思います。)
問題は、一部の人心収攬術の天才が自分を勘違いして
アウトローの道を進んでいくこと。
著者がそういう人とつきあうのは楽しい、というのは勝手。
やくざ親分の人心収攬術に感心し、それを「あの親分
は器の大きい魅力的な人だった」と持ち上げるのも
わからなくもないが、その裏でやくざにしろバブル成金に
しろ、社会にどんな迷惑をかけているのかになぜ思い至ら
ないのかが著者の面白いところか。
けっきょく何が正義かなんてわからないから自分だけ
楽しければよいと思うのだろうな。
そういう人たちがいる、という話として
読んだけれど、出てくるエピソードは「反転」とほぼ
かぶり、編集もなんだかなー、という構成なので
反転を読んだ方はよまなくていいかも。
(読んでない人は反転のほうが数倍刺激的です)