アコースティックなグローヴァーの魅力
★★★★★
この人は、フュージョンの人というイメージが圧倒的なのでが、時々ケニー.バレルやデクスター.ゴードンなんかとジャズを吹き込んだりしていて、それぞれに味わい深いものがある。
で、これもアコースティック路線、しかもバラードとボサが中心。歌もあり、4管の厚いホーンアンサンブルありとなかなかに豪華な作り。リズムセクションもハンク.ジョーンズやルイス.ナッシュなど、趣味の良い名人がずらり。
中身はというと、もう歌心の塊。プレイヤー全員が歌う歌う。ラッパのエディ.ヘンダーソンも沢山ソロを吹いているんだけど、この人とグローバーの相性が抜群。というか、歌い方が似てる。柔らかで、暖かくて。スタンダードからオリジナル、そしてスティービーのカバーまで、好きな曲を好きなようにやってる。
秋-冬あたりの雰囲気に凄く似合うアルバムです。この録音からほどなくしてグローヴァーが物故したのは残念の極み。結果として最晩年の作品になってしまいましたが、置き土産としては極上な物であると思います。