ギル・エバンス・オーケストラとマイルスが競演した第2作。(第1作は『マイルス・アヘッド』、第3作は『スケッチ・オブ・スペイン』)
ガーシュインのオペラ『ポーギー・アンド・ベス』をギル・エバンスがオーケストラルにアレンジし、マイルスがソロを取るという手法だ。今回別テイク2つが追加され内容が濃くなっている。(●^o^●)
マイルスはギルに論理的な音楽手法を学び取っている。しかしながらそれは楽譜によるものではなく、自らの『感覚』に溶け込むようなやり方と言えるだろう。有名なところでは『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』のタイトル曲はご存知喧嘩仲間のセロニアス・モンクの曲だが、もともとギル・エヴァンスがアレンジしたようだ。コルトレーンがテーマのバックで吹くメロディは本来オーケストラのために書いたものだったのをいつものようにぶらりギルのアパートにやって来て勝手に雑誌を読んだり飲み物を飲んだりしていたマイルスが聴き覚え、自分のレコーディングに使っていいかを尋ね、許可をもらったそうだが譜面は渡さなかったそうだ。しかし、その内容をマイルスは正確に覚えていて、マイルスとコルトレーンの2管編成に直して吹き込んだのだ。
マイルスは出会う人の持つ感性や能力を次々と自らの音楽の中に吸収・消化する。この競演作も言って見ればマイルスの芸の肥しだ。