まさに入門書。文体の柔らかさがありがたい一冊。
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唯物論?なんぞや?と感じている人たちにまずはこれをと進めたい一冊。
私がこの本を手に取ったきっかけは小室直樹の本で左翼、マルクスレーニン主義者をボロクソに書いていたこと。それほど攻撃されている連中の内在的論理を知りたくて手に取った一冊。
読んで自らの潜入感が打ち砕かれました。小室が攻撃したかったのはニワカ左翼やニワカ知識人でこの人の本は攻撃対象に当たるような人の本でないことが大変よくわかりました。左翼フォビアや喰わず嫌いをしている人こそ読んでほしい。
一番の驚きは唯物論はシニシズムともプラグマティズムとも一線を隔すどころか、まったく異質なものであるとの説明がなされていること。
混同しがちなものがわかりやすく寄り分けられている点が非常に理解しやすかった。まさにそう説明していただけると非常にわかりやすく助かるよと著者に伝えたくなる本です。
唯物論とは何かが、本当に理解できる
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ソ連崩壊以降、その存在すら忘れかけようとしている、唯物論哲学であるが、その真の価値は理解されることなく寂れさせるには惜しいものである。
難解なマルクス主義哲学の核心とも言われる、唯物論とはなんであるかをこの書物を通じて理解してほしい。
そして、著者の問題意識に少しでもシンパシーを覚えるなら、そこからマルクスが提示する資本主義の問題点に向学心を持って欲しい。なぜなら、現在こそが資本主義の終点とも言える末期的な世界だからだ。再び、帝国主義が列強諸国間に首をもたげはじめ、マルクス資本論を著した頃の世界状況に酷似し始めたからだ。かつてのソ連型社会主義では、救世的な革命には至らなかった。しかし、こんどこそは失敗を踏まえた新しい、地球規模での変革を実現しなければ、人類は終末を迎えなければならなくなってしまうだろう。
生活に追われ、戦乱におののき、生きて行くことに苦しみを感じ続けなければならない世界に、終焉をもたらし、よりよき未来をもたらしたい。
少しでも多くの人に知ってもらいたい。