忍術、剣術、体術より、敵を騙す頭脳戦が決め手になるかっちょええ時代小説
★★★★☆
伝奇の要素のない普通の時代小説。
忍者は出てくるが、
忍術、剣術、体術より、
敵を騙す頭脳戦が決め手になるかっちょええ時代小説。
任務を授けられる前の青春群像がうっとおおしいが、
夢を持たずに地味に生きる事を訴える素晴しい結末を迎える。
武田騎馬軍団は存在しなかった等の、
科学的に正しい時代小説である。
両手で剣を握る正当剣法を馬鹿にしてるのが痛快!
知恵を巡らせた戦場で、太刀同士で剣戟するのは愚か者である。
平和な江戸時代に確立した剣術のとろくささが理解出来る
知的レベルの高い本である。
セリフのほとんどが甲州弁と尾張弁なのもリアル。
正紀は普通の時代小説家としても天才であった!