過去にひきずられるのはやめにしたい。
★★★☆☆
思い出すのは定期試験。
テストが終わった後の答え合わせ。したした。
英語だけ得意なやつ。いたいた。
テスト前は暗記、暗記。
理系だったんだけど、高校一年のときから歴史が好きになった。
その頃から本を読むようになって、今では活字中毒。
おかげで自然と現代文は点が取れてた。
結局、最後まで勉強したのは数学と英語のみ。
化学とか全く覚えてない。
センター試験でも60点ちょいだった気がする。
で、大学は経済学部。
受験科目が英語と数学と小論文だけだもの。
懐かしい。
社会人になって大学時代を懐かしみ、
大学ん時は高校生が楽だと思い、
高校時代は中学のときがよかった、
中学んときは中学んときで小学生が楽しかった、
といつでも過去にひきずられて。
一体いつがよかったの?
静かに共感できる作品集
★★★★★
「いわゆる恵まれた家庭環境の子が多い」私立の女子高の、同じクラスに在籍する女の子たちが、一人称で語る連作短編集。
ごく普通に日々を暮らす一人ひとりが、いろんなふうに物事をみながら自分の暮らしを生きている。そのことが、つややかで繊細な文章で描かれています。
他のレビュアーさんのコメントをみるとこの本の読者は女性が多いようですが、私のような年配の男性が読んでも共感できるすばらしい作品です。私は、一人ひとりの生活や考えをたどりながら、ゆっくり1話ずつ読み進めました。
特に印象的なのが「緑の猫」。すこしずつ「おかしく」なっていくエミの切迫した感情も、彼女を気遣う萌子の心の動きも息苦しいほどよく伝わってきます。そして、「高野さんをほんの少し好き」という萌子には「そうですよねえ」と静かに共感します。
秋から冬へと季節が深まっていくその空気感までが印象的にリアルに描かれた作品。ほんの30ページの短いストーリィなのに、梅雨時の朝の電車の中で読み終えても、しばらくは冬の冷たい静けさが心を満たすような作品でした。
また、6つの物語は全体を通じてていねいに構成されています(たとえば、女の子たちのべつべつの暮らしが、いったん、高野さんのサインペンの場面の1点に印象的に収斂し、そのあと再びそれぞれの方向に拡散していくなど)。
「次はどうなるんだろう」というような興味本位のストーリーがあるような小説ではないので、10人が10人とも好むかどうか。だから、むやみにこの本を他人に勧める気にはなれません。むしろ、「この本がわかる人といっしょに話がしたい」という感じでしょうか。
女子高時代
★★★★☆
この作品から伝わってくるあの頃の女子高の空気感。女子高独特の空気がとてもよく表現されていて、お気に入りの一冊入り。
ストーリーを追いたい人には不向きかもしれないが、雰囲気や空気感を味わうにはお勧め。特に、都会の女子高に通った30〜40代の方へ。
夢のようにながい一瞬
★★★★☆
同じ制服を着て、となりで笑いあいながらも、それぞれの帰る場所は違う。内側には誰も覗くことの出来ない一面がある。
ただ明るく楽しそうに過ごしているように見えても、本当は、ちぐはぐな靴を履いて歩くような、
ぐらぐらと揺れる平均台を目を閉じたまま歩くような気持ちを抱えている。
そんな高校生時代の感じが、壊れそうなくらいそのまま書きつけられているところがすごいと思う。
ただの甘くてゆるい話ばかりと思いきや、「櫛とサインペン」や「飴玉」がいいスパイスになっています。
まあ、話の筋を追い、ただそれを楽しむような人には向かないでしょう。
懐かしき
★★★★★
月並みだが、自分が女子高生だった頃を思い出す作品。
江國作品の中でも、「神様のボート」の次に好き。
大きな盛り上がりもなく、ただの女子高生たちの日常なのに
なぜにこう飽きることなく読ませられるのか……
そういえば、あの頃は子供のくせに今よりよっぽど現実的な
思考を持っていた気がする…
オススメです。