人を愛すること、人が死に行くこと、私は勘違いしていた。
デュラスは怖くないと、勝手に思い込んでいた。
しかしこれは、作家というよりむしろ自分が死に向かっていること、愛する人を置いていくという恐怖に対しての全く｢しらふ｣の遺書だといえよう。
誰だって死ぬことは恐ろしいことだ。
彼女も例外ではない。

デュラスを読んだことの無い人も、一人のおんなが死に行く様として、目を通すことをお薦めする。
きっと、貴方が抱いている勘違いも、疑いも、流れて行く気持ちになれるはずだから。