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モデラート・カンタービレ (河出文庫)

価格: ¥567
カテゴリ: 文庫
ブランド: 河出書房新社
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恋人と読みたい小説 ★★★★★
超越的な官能小説である。
始めはアンヌとショーバンの会話はちぐはぐでズレている。なぜなら、事件に惹きつけられるアンヌの無意識と欲望の方が、ショーバンのそれよりずっと強いからだ。ショーバンはアンヌにひきずられ、分析して解説するが、やがて先行するまでになる。
ゆきずりの殺人事件の男女の愛の物語をかくも自在に想像=創造し、反復しながら変奏していくアンヌとショーバンの数日間の逢瀬の会話は、超越的なエロスの輝きに充ちている。
この過激な愛の小説を、アンヌとショバーンが殺人事件を想像の土台にしたように、恋人と一緒に少しづつ読み、会話の中心に据えてみることをオススメする。
ただし、その結果は保証できない、、、
大人の愛を陰翳濃く、じっくり ★★★★★
 ズバリ、大人の愛を陰翳濃く、じっくり描いており、読者の胸を高鳴らせながら読ませます。通奏低音のように怪(妖)しげな忍び足の音を響かせる恋愛小説。古いようでいて新鮮味を結構保っているように思えます。
激書 ★★★★★
読む人が読んでしまえば、長い期間に渡って、
しかも深刻な影響を受け続けるに違いない本です。
本が手元にあろうがなかろうが、同じことです。
一度読んでしまえば…それまで、です。

この本に書いてあることで、一番心に残っているのは、私の場合…
本自体よりも、その「あとがき」で著者がインタビューに応えている、その断片です。

著者:「…あれは、恋愛事件じゃなかった、性的な事件だった…殺されたいと願う女性、それを経験したの。…なぜ?なぜそれが平穏さを取り除いてくれたのかしら」
インタビュアー:「それが廻り全体、平穏さとの決別だったのですよ」

この本を初めて読んだのは、10年以上前のこと。
今でも、その言葉が時々浮かびます。

生と死と愛と…その陶酔、その哀しみ、そして歓び。
「こんなこと考えてたら生活できないよ」と思うその一方で、
「これがないと生きていけない」とも思う…
そういうことに、これ程までに、しかもこういう形で肉薄する本を―
少なくとも私は、他に知りません。
未読なら買いです。 ★★★★☆
未読なら買いです。150ページかそこらの短い作品ですが、密度が濃くて何度読んでも楽しめます。解説にもありますが、ラストの「もう死んでいるわ」というアンヌの台詞が冒頭の女性の死につながり、間に挟まれたいくつものシーンが、星座を教えられてその形に見える瞬間のように繋ぎ合わされます。お勧めです。
むせかえるほどの香り ★★★★★
ある殺人事件に自分の官能を投影する女性が、その願望が募るにつれて、一面では満たされていくにもかかわらず、徐々に空っぽになっていくという矛盾を描いた作品だと読んだ。デュラスは『愛人』が有名だが、こちらの方が直接的な描写がないにも関わらず、よりエロティックだ。主人公が胸につけていた花のように、小説自体が放つ官能に、読み手もむせかえりそうになる。ゆっくりと、何度も読み返す価値のある名作だろう。