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北の愛人 (河出文庫)

価格: ¥882
カテゴリ: 文庫
ブランド: 河出書房新社
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こちらの方が読みやすいです ★★★★★
「愛人 ラマン」の方は、かなり中国人青年との事に割かれているページが少ない上に、時間軸もわかりずらく、また少女の気持ちもわかりずらかったのですが、こちらの方がはるかに小説らしくなっていて読みやすかったです。
前作では言葉少なだった青年も、かなり自分の境遇など、詳しく自分について語っています。少女と青年の気持ちがよく伝わってくる感じでした。
それから、どうも映画は「愛人 ラマン」とこの「北の愛人」をミックスしてストーリーが作られたようですね。大部分は「北の愛人」を参考にしているような感じです。それから、映画や前作でもなんとなく感じていたのですが、やはり、この青年、商売にはあまり関心が持てなかったのかな?という印象を受けました。それから、前作では登場していなかった少女の家の使用人のタンという少年も印象的でした。
先月、あたし、子供ができたと思った。 ★★★★★
タイトルのこの台詞は、二人の逢引きの場面で少女が言う台詞。この台詞が「北の愛人」の中で一番心に響いた。私はこの少女を抱きしめ、一緒に泣きたいような気分になった。「この場合お父様は折れたかしら?」つまり、中国人青年と結婚できるかを、少女は言葉の中で暗示しているのである。自分自身がまだ子供のようないたいけな身体をしていながら、青年との愛を交わしながら、それが性愛だと思っている少女。愛ではないと信じ込もうとしている少女。それが妊娠したかと思った瞬間、青年に子供が生まれて二人であやしている夢まで語る。このシーンは「愛人」にはない。

「北の愛人」はデュラスが映画化を試みて書いたとあったが、「愛人」でおおまかな輪郭を掴んでから読むと、登場人物の細部がよくわかる。この「北の愛人」で、少女と青年の愛をデュラスは邂逅していたのではないかと思うほど。特に少女、青年、エレーヌ・ラゴネルの描き方が率直な感じを受けた。

「愛人」を読んだら、是非次に読んでいただきたい作品である。

眼前に鮮やかに広がる映画的描写 ★★★★★
1984年出版の「愛人」と題材を同じくするが、単なる「リメイク」を超えて独立した小説として読み応えがある。「愛人」は難解な展開も多く、映画「ラマン」を見ていない人には、捉えにくい小説であったかもしれないが、こちらは映画を見ていない読者でも、物語の全容を用意に知ることができると思う。映画化されることを前提に書かれたという話もあり、目の前に情景が鮮やかに浮かび上がり、会話の比率も多く、映画を見ているような錯覚に襲われる。性愛の描写が多いのも事実だが、それ以上に、人間が生きるということの本質を深く考えさせられる。
私の中のデュラス ★★★★★
この前作となる「愛人」ラマンより この作品が好きです。自分が15歳のデュラスになってしまい その心の疼きや幸福感を感じてしまう見事な作品だ。
良い作品は、時間も超えて心に響くものなのだと納得できる作品でした。