身長僅か150センチメートルの男子高校生が
（ガードとはいえ）主人公をつとめる上、 当初
所属チームがひたすら負け続けていたと云う
異色のバスケットボールマンガ第二十七巻。

超高校級の選手が登場するわけではないため
普通の高校生の生活や家庭の問題などが
丁寧に描かれている点において、作品世界に
しっかりとしたリアリティが感じられ好感が持てる。

地区交流戦の対北住高校4Qを中心とした巻。
今までに無く白熱した試合が続く。
ぎりぎりの試合でもいつも勝つヒーロー高校ではなく
主人公「空」が所属するのは負け続けてきた九頭流高校。
だから最後まで手に汗握る。

そして巻を経るに従って上手くなる作者の野画力と描写力！
若い肉体の躍動と、試合のリアルなスピード感と
試合終了までのタイムに追われる緊張感とが
現在連載中のスポーツ漫画一であることを確信させられる。

それは。
北住戦のラスト。
『彼』にボールが渡り、それが手を離れたページで。

読む人の手は止まるのではないでしょうか。期待と不安で。

作者の日向さんは、本当に『部活動中の空気』を表現するのがお上手だと思います。
リアル、というか、読んでいて
「ああ、懐かしいな…こういう感じ」
と思えます。
私の場合は、バスケではなくテニスなんですけどね…。
試合中の張り詰めた空気、次の一瞬が分からない緊張感…。
焦り、不安、逃げ出したいような感じ。

そして、相変わらず狙いのなさそうなシーンで涙が出ます。

多分、現在連載中の
全ての漫画で
一番面白いです。
スポーツ漫画によくある、
「ギリギリだけど絶対勝つ」
みたいなコトはないですし。
時々、「命」について
描いてあったりして、
その言葉一つ一つが
とても「重い」です。
キャラの焦りや不安等も
丁寧に書いてあります。
もう本当に
「スポーツだけ」、の
スポーツ漫画じゃないです。
裏表紙のセリフも
考えさせられます。
時々、誰のセリフ?って
吹き出しも
ありますが…(;^_^A
長々と書きましたが、
要するに、「面白い!!!」
ってコトです。

久々に漫画で鳥肌がたちました。
本当に面白いし、描写が丁寧な良い作品だと思います。
2次元の出来事なのに、思わず声を出して応援したくなりました。
言葉の選び方もとても良くて、特にモノローグの台詞には心打たれるものが多いです。

もっと多くの人に読んでもらって、評価されるべき作品だと思います。
もう最終回のネームを切ったそうですね。寂しいですが、どんな終わりになるのか、楽しみに待ちたいと思います。

やっぱり心情描写とか成長の過程とかがすごい複雑でリアル。読んでいて話に呑み込まれる。誰もが経験してるんじゃないかっていう劣等感とか焦りとか、そこから抜け出す努力の苦しさとか、おもしろいだけじゃないそういう部分が描かれてて共感できる。励まされるし高校生の自分はめちゃくちゃ影響を受けます。
こんな風に思える漫画ってあんまりない。