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「夕張問題」 (祥伝社新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 祥伝社
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なんと楽しい夕張問題入門書 ★★★★★
こんなに明るい 楽しい本は滅多に無い。
夕張問題を夕張市の財政破綻問題に矮小化せずに、日本における北海道の歴史としてとらえかし、堂々とした方針を指し示す。
著者の 肝っ玉の大きさにあきれかえってしまう。
読んでいくうちに納得。
炭坑の町 夕張の誕生は、吉村昭の『赤い人』を読んでおいた方が良い。北炭の誕生。囚人をつかい巨大になった炭坑。北の夕張、南の筑豊。
そして、敗戦後、一気に炭坑はフル回転となる。
しかし、エネルギーが、石炭から石油に転換され、同時に炭坑は閉鎖されていく。
巨大な元炭坑町を 観光地に転換させた夕張市。
具体的に牽引者の手法をあげ、そして 夕張市の財政破綻の必然性をあきらかにする。
説得力あり。
「さあ、これからどうするか」
著者は 4章「夕張再生のシナリオ 10のテーゼ」で 実に のびのび 超楽観的に 語っている。
悲観材料としてとりあげられている内容を 逆転させる。
価値観が 変わる。
夕張に 未来はある。
素敵なすてきな未来があると 読む者を楽しくさせる。
読む者は 過去の価値観を変えられたことに気づき唖然とする。
財政問題に関して 著者の基本姿勢は雄々しい。故に楽観的な未来像が描かれるのであろう。
夕張にうつり棲(住)みたくなる 楽しい希望をあたえる書である。
夕張近郊に住んでいる著者の書いた夕張破綻に関する本です。 ★★★★☆
夕張と言えば、夕張メロンと昨今ニュースで報道されている
財政再建団体になったと言う事位しか知りませんでしたが、
たまたま図書館で見つけて、読んでみました。

著者は、夕張市民ではありませんが、夕張近郊に住んでおり
夕張の財政が破綻したときに、負債が600億円という報道が
されたとき、思っていたより少なかったため驚いたそうです。

また、今行われている夕張市の財政再建では、借金がなくなっても
夕張市は、国からの補助金などをつけてもらい他市に合併され
てしまうのではないか、役人が行ってきた観光事業の破綻を受け
観光事業は民間に任せて採算が取れれば続ければよいなどと
主張しています。

地元民だけあって、夕張大変だな、かわいそうだなと言う単純な
同情論はなく、例えば、夕張市の職員の給料は、夕張市の人口に
不釣合いなほど高かったものが、何十%の削減でようやく普通の
同程度の人口の自治体の職員の給料水準に改正されたなど夕張市
関係者にとっては聞きたくない話も載っていました。

この本のエッセンスとしては、パラサイト夕張ではなく、高齢化
が進んでも老人が活力を持って自分たちの生活は自分たちで守る。
国は当てにしないと言う姿勢で臨めば、応援してくれている人達
は日本全国にいるので希望は残っていると言う著者の主張だと
思いました。
テーマは適切だが,書き飛ばし(?)は残念。 ★★★★☆
「2007年5月5日 初版第1刷」に関して。
p.8に「短期間の仕事であった。」とある。細部に注意を払わずに書き飛ばしたとの印象を持つ。夕張市近辺在住の大学教授という適切な書き手による適切なテーマであるだけに非常に残念。
校正ミスの例。
p.49「これでは,年金や生活保護で生きる人は別として,夕張で正業を営み,頑張って生きてゆきたい人のほうを少しも向いていないことになる。」
正業-->生業
p.62「標準財政規模が約43億円に過ぎない夕張市が,総額360億円の不良債権返済が極めて困難なことに変わりはない。」
不良債権返済-->債務返済
貸金が債権で,借金が債務。また,回収が困難な債権を不良債権と呼ぶので「不良債権返済が極めて困難」は「馬から落馬」の類。
p.134「自立更正」(このページに3回出てくる)/p.160「自立更生」
使い分けているのでなければ,少なくともどちらかの用語が間違い。
p.172とp.173「私立総合病院」(各1箇所)-->文脈上,いずれも,「市立総合病院」
法律の理解(あるいは説明)不足の例。
p.41「しかも公務員の強制馘首(かくしゅ)はできない。」
できる。地方公務員法 第28条(降任,免職,休職等) 第1項 第4号により,「職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」「その意に反して,これを降任し,又は免職することができる。」
p.130「しかし,(2)〜(6)までの公社と第三セクターの負債総額235億円弱を,市は知らない顔をするわけにはゆかない。(この点については後述する)」
「後述」箇所が不明。地方自治法 第214条(債務負担行為)により,「普通地方公共団体が債務を負担する行為をするには,予算で債務負担行為として定めておかなければならない。」のであるから,予算で債務負担行為として定めてあったか否かがポイント。
夕張問題は夕張のせいだ。 ★★★☆☆
 最近,北海道各地の書店でよく目に付くようになった本である。
 夕張市の財政破綻問題について,その概要を知るためには良い一冊である。一連の問題を「誰のせいでもない。夕張のせいだ。」と切り捨てるなど冷徹なまでに感傷を持たない客観的な文章はある意味小気味良く,老人イコール保護・福祉と捉えず老人が老人のために活き活きと暮らしてゆける街づくりを推奨していくあたりも斬新な視点と言えよう。
 ただし,再生のシナリオの内容には説得力はあっても具体性に欠け,所詮は第三者的立場にいる学者の机上の論理という白々しさがないでもない。
 
リアルな夕張論を展開 ★★★★★
 読んでみて感じたことは、地元在住者である人間によって書かれたことによる強烈なリアル感です。これまで読んだ本は、他者からの視線がちらついて何か物足りない、実感として感じられないものが多かった。
 当然、在住者であるわけですから、夕張に愛情はあるでしょう。しかし、真の愛情とは感傷ではなく、冷徹な理性無くしては成立しないのです。これは筆者の長年から変わらない態度のように思えます。
 この「夕張問題」は、夕張破綻問題ではなく、夕張の成り立ちからいまにいたるまでの歴史を踏まえた検証です。その徹底さはどの本より群を抜きます。だからこそ、今回の破綻も色濃く浮き彫りにされていくのです。氾濫する夕張破綻についてのコメントや関連本の中でも、一読の価値はあります。