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限界自治 夕張検証―女性記者が追った600日

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 梧桐書院
Amazon.co.jpで確認
身につまされる ★★★★☆
 夕張の財政破綻のニュースが駆け巡った際に「なぜこれほどひどくなるまで放置してきたのか。夕張の市長以下、市議会議員たちは何をしていたのか!」といった非難が渦巻いた。もちろん、市長を始めとして市議会議員に責任があることは言うまでもない。ただ、市議会議員の末席を汚す者のひとりとして、私は夕張市議会議員に深く同情した。
 政治家は口当たりの良いことしか言わない。否、正確に言えば「言えない」のだ。もちろん、問題意識を持ち正面から有権者と四つに組もうという政治家はいる。将来を正確に見据えて、敢えて苦言を呈する政治家たちはいるのだ。しかし、そういったタイプの政治家の評判は概してよろしくない。なぜなら『人は見たいものだけを見る(カエサル)』からだ。
 そして、そのツケは巡り巡って有権者に跳ね返ってくる。そのプロセスの実録。
新聞を読んでいる人には読む価値無し ★★★☆☆
内容としては新聞の特集連載記事レベルの内容であり、現地でのさまざまなインタビュー
などもありますが、総じて内容が甘く、突っ込んだ洞察などはありません。

逆に言えば、夕張問題について何も知らない人に対してであれば、お勧めできる本です。
ですが、夕張問題について以前から本を読み、ニュースをチェックしている人が、なぜ
市長の暴走が起きたのか、なぜ市議会や市役所は暴走を放置したのか、といった疑問に
対して答えてくれるような本ではありません。
新聞記者による徹底取材の集大成 ★★★★☆
新聞記者が関係者や市民へ徹底取材の結果をまとめた書籍。
地方自治財政の素人である記者だからこそ、一般人の視点で、一般人にも分かりやすく書かれているのは好感が持てる。一方、自治体関係者から見れば、記者の勉強不足感が否めない。
タイトルにある「検証」というには、分析・調査不足に思える。むしろ「取材メモ」という方が適当なタイトルだと思う。だからこそ、記者の感想や主観が少なめで、「誰それがおう言ってました」をまとめたモノに思える。しかし、そういった多数の関係者・市民への取材は他の夕張関係書ではなかなかされていないため、有益な資料だろう。
ただし夕張の今を知るには、本書だけでなく、他の本を合わせて読むことをオススメします。

「検証」というからには、自治体財政の基本、他の自治体の状況を調査・検証し、違法会計をしていたのであれば、本来どうすべきだったか、仮にそうした場合、現在とどう違ったか、そして今後夕張がどうなっていくのか?などなど、いろんな視点で描いて欲しかった。
それはノンフィクション作家がすべきことであり、新聞記者の仕事ではないのかもしれないが。
わが町の未来予想図 ★★★★☆
 財政破綻し再建団体入りを宣言した、数少ない自治体だからこそ、夕張はNEWSになり、国も何とか支援しているし、過去にもそこから財政健全化していった自治体もある。
 しかし、殆どの自治体は破綻一歩手前であり、その寿命を少しでも延ばすための合併が進められたが、ここでも合併特例債という名の、今後の維持費を生み続ける箱物建設のための借金で、負の遺産を増やす施策がとられた。

 少子高齢化も進み、交通・医療等の不便さもあって、都会ですらニュータウンから都心のマンションへ移り住む住民も多い。
 ゆくゆくは、1次産業従事者等どうしてもその地で住まねばならぬ理由のある人以外の多くは、都会へ、東京へと住まざるを得なくなるのではないか?

 夕張で残念だったのは、国の都合で炭鉱を閉めさせたのだから、国が面倒を見るべきだとの特殊な被害者意識が筑豊同様あったにせよ、身の丈に不相応の3セク箱物の借金のチェックを行う人が皆無であった点もさることながら、破綻して尚、履行不可能な公約を謳う羽柴市長候補を次点にし、市長の暴走を止める職務を果たさなかった市議6人を再選すると同時に、少なくともチェックの声はあげていた共産党の一人を落選させたことだ。

 人は不安に迫られると、ゲッペルス式“嘘も100回つけば本当になる”を実行する“カリスマ”を求めたがり、それが小泉・石原・橋下がやっているように、弱者切捨てが主体の殆ど全員が住み辛くなる政策であっても、自分には関係ないとばかりに多くの支持を集めてしまう。

 モンスター○○という威力業務妨害者が増えている現状を見ると、これからも“お任せ・観客民主主義”から、抜け出せるとは思えず、¥1000兆にも及ぶ国・自治体の借金総額を思えば、今後日本全体が、逃げ場のない“夕張”になるのかと気を重くした。


地元から見る夕張の過去と現実 ★★★☆☆
 夕張関係の本は既に多々発売されてますが、本書は副題からも分かるとおり
現役の新聞記者(別に女性という枕詞はいらないと思うのだが・・・まあ本も
売れてナンボだから)による、現地からの報告です。

・破綻に至った経緯
・行政の責任
(ワンマン市長を止められなかったことと、エネルギー政策を行った国は
 夕張を保障して当然という依存体質)
・市民の責任
(炭鉱会社任せ→行政任せ)
・破綻を受けての行政・市民それぞれの動き

 ごくごく一部を除けば、日本全国、破綻前の夕張と似たようなことを行って
います(さすがに「一時借入金」を使った債務の飛ばしや、ヤミ起債はともかく)。
バブル崩壊後の景気対策、合併特例債を活用した箱物推進等。

 そういう流れで行けば明日は我が身、というのもあながち脅し文句では
無いのです。行政が破綻するとどれだけの影響が及ぶのかということを知るも
良し。また、そういう現実の中で生きている市井の人の声を集めたという点でも
読んで損は無い一冊です。