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舞 ― 伊福部昭の芸術3 舞踊音楽の世界

価格: ¥2,854
カテゴリ: CD
ブランド: キングレコード
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優等生すぎる演奏 ★★★☆☆
日本人の、日本人による、日本人のためのバレエとして、現代日本のクラッシック界を語る上で外せない曲だと思います。
バイオリンが低音域でリズミカルに音を刻むところなどは「ゴジラ」を彷彿させ、伊福部テイストたっぷりです。
惜しいのは、ストーリーに似合わず演奏がおとなしいこと。録音の機材やレコーディングした場所の関係もあるのかも知れませんが、迫力がイマイチ、何かモーツァルトやグルックの舞踊音楽みたいで、ちょっともの足りません。
私が以前聴いた、山田一雄指揮・新生日本交響楽団のライブレコードは、荒っぽさもありましたが、山田一雄の渾身の指揮ぶりが目の前に浮かび上がってくるようで、それに比べるとこのCDの演奏は、優等生すぎる感じがするのです。
もっとも、まだ若いバリバリの広上さんと、日本音楽界の巨匠を同じ天秤に掛けるのは気の毒な気もします。今後ももっといい演奏を期待します。
あれも伊福部、これも伊福部 ★★★★☆
伊福部昭がバレエ音楽も数多く手掛けてきた事は、ファンの人ならば
良く知る所であるが、主な要求要素がリズム・叙情性・喚起性等で
あり、肉体にダイレクトに訴える事の出来る音楽、と考えた場合、舞踊
というジャンルと伊福部音楽のコラボレーションは至極当然の事と
思える。
この「サロメ」は、徹頭徹尾、中近東・東洋音階を意識した(というか
元々の持ち味の一つなのだが)メロディが、時にはムーディに、時には
バーバリックなリズムに乗って展開されていく。
激しい律動の緩急、音の厚さ・・・
なるほど、これは西洋バレエの音楽ではない。かといって「和風」の
サロメ、という表現も当てはまらない。
結局「伊福部」の「サロメ」なのである。そうとしか言い様がない。
故に素晴らしいと感じる。

同じく収録された「兵士の序楽」は、伊福部本人の弁によると当時軍部
に半ば強制的に書かされたものらしい。
しかしどういう経緯で出来上がった作品であろうと、発表された時点で
それは「作品」である。不特定多数の聴衆にああだこうだと批評される
運命にある。かくして聴いてみた結果、この作品も「紛れもない」
伊福部作品であった。
創られた背景はともかく、曲の鳴り出しから数十秒後には、全身鳥肌を
立てまくった男が、少なくとも一人ここに居る。
「伊福部昭の音楽だぁ・・・!」そう言うしかなかった。
戦後の長い時間を経て、出るべくして出た作品、素直にそう感じた。