クルップ社とラインメタル社の重火器カタログのような内容です。欄外にデータが示してありますが、どうせなら射程や貫通力などの一覧をイラストなどで表した方が分かりやすいと思いました。他弾薬についても詳しい説明があるといいと思います。

文庫本でよくまとまっています｡あらゆる種類の兵器について解説されていますが､その多くが既出の写真集(グランドパワーなど)にもすでに紹介されているものなのが残念です｡その点では新鮮さに欠けます｡多くの記述は各兵器に関する生産やデータなどで､｢どのように実戦で使われたか｣の詳細についての情報がもっと欲しいところです｡しかし､全体的にはしっかりとまとめられており､これ一冊で資料としての価値は十分でしょう｡特に､防空レーダーの章ではかなり丁寧に書かれていて興味深いです｡
装甲列車と列車砲の活躍に関する記述はかなり細かくて大変参考になりました｡

文庫本ですがドイツの火砲を幅広く簡潔に紹介しています。これまで雑誌のコラム的に扱われていたような列車砲，砲撃用レーダー，高射砲塔にも章をさいているところがおすすめですのポイントです。また，掲載されている写真も他書にはあまりないカットを意識的に選んでいるようです。この本は模型作りの参考にはならないでしょうし，ドイツの火砲の物理データについては現在でも諸説あり不明なところもあるので異議をもたれる方もいるでしょうが，こういうことに興味のある人には，知る楽しみを与えてくれます。