交響組曲「わんぱく王子の大蛇退治」は、
ちゃんとしたアニメファンなら当然知っている、「白蛇伝」や「ホルス」などと並ぶ、
初期の長編アニメの傑作。
その劇判を編み直したものです。
オープニング曲も力強い名曲ですが、
「アメノウズメの踊り」こそアニメ映画音楽史上に残る名曲!
劇判バージョンよりも華麗で、
なおかつクライマックスの調子を外れたかとも思わせるほどの力強い演奏は、
何度聴いても圧倒されます。
わずか2~3分の曲ですが、その展開の豊富さ、あでやかさ、
そして日本の舞踊音楽的な側面からも、
巨匠の代表曲の1つに数えてもいい素晴らしいものだと思います。
「わんぱく王子~」のこの2曲のためだけに買っても充分おつりがくる1枚です。
何よりあのオープニングのテーマ曲、そしてアメノウズメの踊りの楽曲が
新録のステレオ音源で聴ける!
元々本作品の為に作曲された楽曲数は非常に多く、もっと、もっとあの曲も、
この曲も盛り込んで欲しい、という事を言い出したらキリがないのでやめて
おきたいが、いずれにせよ伊福部昭の音楽が持つ大きな特徴と魅力を存分に
味あわせてくれる1枚である事は間違いありません。
同録の交響ファンタジー「ゴジラVSキングギドラ」もそうですが、こうして
改めて聴いてみると、本当に我々の血を揺さぶる「巨きな」音楽が書ける人
なんだなあと感心かつ感動します。