原典の抄訳・抄録です
★★★☆☆
本書を購入する方々は、当然、同じ著者の『養生訓』も読んでいらっしゃると思います。ですから、本書が説く儒教的・通俗道徳・倫理観についてはさておきます。
ただの読書ではなくレポート・論文作成のさいの文献として役立てるさいに一点だけ心得ておくべきなのは、本書が『慎思録』のすべてを収録・訳出しているのではなく、“現代から見て重要と思われるところだけ”――たぶん全体の半分程度――を選んで、翻訳・原文収録していることです。つまり、訳出されなかった部分では、訳出された部分と矛盾していることを益軒が言っている可能性もあります。
さすがに本書のなかには、原典の抄訳であることが書かれてありますが、でも、本の外観を見ただけでは、すぐにわからないことが残念です。