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個人的知識―脱批判哲学をめざして

価格: ¥5,040
カテゴリ: 単行本
ブランド: 地方・小出版流通センター
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個人的=人格的な発見を更新する試み ★★★★★
マイケル・ポランニーは「科学哲学者」であるがかつては「物理化学者」であった。発見のプロセスを記述している興味深い本であり、安易な「理解」が如何に科学客観主義に結びつき道徳的情熱というものの恐ろしさの端緒が「時代」を突き動かしたかを一方で批判する。発見は信仰と切り離すことができず「暗黙的」な境界条件を常に志向しつつ端緒を更新し続ける「方法」として「暗黙知」を提唱した。確かに彼の言説に批判される方々も多いが、少なくとも、これは存在の端緒であり乗り越えられないことを「意識」せねばならない。合わせて「暗黙知の次元」も勧める。話はそれからである。
超生物学、ウルトラバイオロジーとは何か ★★★★★
 著者は既存の社会学、生物学、心理学を序文で批判する。そして自身の物理化学者としての経験から、自然科学に対する誤った考え方がこうした間違った理想を追求する人文社会科学を生んだとする。基本は全体主義的な科学の統制にたいする異議なのだが、著者はウィトゲンシュタインもポパーも妥協せず批判する。自然科学とは違い、著者が20代のころアインシュタインにやった反批判のようなことは人文社会では出来ないことを誤ったのだろうか。結論は、生命形態がそもそもどのようにして存在するようになったのかという人類の進化も射程に入れた「超生物学」。私は高校の頃これを読んだ。しかし、彼の分子生物学批判は現在受け入れられていない。私は彼が残したものを探ろうとして三木成夫に飛んだりした。だが、遺伝子生物学に対する反論は現在趣味の域を出ない。
 著者は存在論=生命論と同値させ、宗教と科学の問いを同値させようとしたのだといえる。
彼の生き様 ★★★★★
これは今の僕にはなかなか難しい本ではあった。というよりも、あまりにも話しが広範囲に及んでいるため、「動機」を自分の中で築くのく苦労をしたのである。しかし、彼が脱批判を目指した「態度」というものを感じた。そういう意味で「いい本だ」と私は思う。深い知識のつまった本は彼の言葉で表現できだろう。「ただただ自分に対する忠誠の為に語るのである…」と。