翻弄される展開
★★★★☆
さすがプリースト、読者を翻弄してくれる。はじめはやや単調な只の恋愛小説(三角関係)の展開だが、いきなり「不可視人」なるガジェットが登場し、ここから俄然面白くなる。心理的に認識されないために他人から〈見えない〉存在という、設定としてはかなりユニークなもので、読んだことは無いがチェスタトンにそういう作品があるらしい。男女双方の視点で進行するストーリーは彼らの迷いもあって錯綜し読者を惑わす。この辺のストーリーテリングは見事だ。
グラマラス
★★★★★
今まで読んだ中で衝撃BEST3に入る本。一人称を読み取る事で作品の内側からから作品の世界を体感できる本ではないだろうか。まさに魔法である。
これほどの混沌とした、しかし不思議な本を読むのは久しぶりであった。
同著者の「奇術師」を読んでから魔法では衝撃が少なめになるため、注意。
glamour to prestige
★★★★★
magicではない魔法がここにはある。
あっと驚くものではなく、日常の中でじわじわしみこんでくるものなのだ。
文庫化を機会に多くの人に読んで貰いたい作品。「魔法」から「奇術師」に読み進めることで、魔法の世界は大きく広がり、プリーストの他の作品やリンカーン・ライムの最新刊に手が伸びていきます。
私は「逆転世界」の方が好きです
★★★★☆
484pに「高速撮影により」という訳が見られますが、これでは意味が通りません。おそらく原書ではHigh speed と書かれていたのでしょうね。speed には感度という意味もあるので、これは「高感度フィルムにより」と訳すべきでしょう。訳者あとがきの「イグジステンズ」の発売年が79年とあるのも、99年の間違いでしょう。
グラマーな魔女が大活躍!・・・しません。
★★★★☆
原題は「glamour」。
おチャメでグラマーな魔女たちが引き起こす騒動・・・・
という物語ではなく、
ロンドンとフランスを舞台にした恋愛小説が、
ずりずりっとよくわからない物語へと
展開していく感覚は「逆転世界」と同じ。
それが、またずりずりとずれて、驚愕のラストへ!
ってほどではなく、きょとんとしてるうちに終わっちゃいました。
変な小説として「奇術師」り断然面白いです。