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〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)

価格: ¥987
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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一流のSFミステリ ★★★★★
この作家はSF的な要素を使った話しを書くのが得意なんですね。

手品が舞台なのでタネを思わず考えたくなっちゃいますが、
一流の手品のタネはそうパッと思い付かないので、
じっくりと二人の確執をハラハラ見守ってました。

この作品自体のタネの一つにSF的な要素が使われているんですが、
ストーリー運びが見事で作品の世界観にうまくマッチしています。
ふたりの天才奇術師の確執と悲劇のドラマ ★★★★☆
’04年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第5位、「このミステリーがすごい!」海外編第10位にランクインした、世界幻想文学大賞受賞作。昨年、映画化もされた。

新聞社に勤めるアンドルーは、取材で赴いた北イングランドで、ケイト・エンジャと名乗る女性と出会い、思いもよらない話を聞かされる。お互いの曽祖父は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、「瞬間移動人間」のイリュージョンを得意としていた舞台奇術師だったというのだ。しかも、ふたりの間には確執があり、互いに邪魔しあったり、脚を引っ張りあっていたりしたらしい。

物語の大半は、そのふたり、アルフレッド・ボーデンとルパート・エンジャの手記と日記から成り立っている。5部構成のうち、第2部と第4部に配された、かなりのボリュームを占める彼らの手記と日記を読み進み、ひも解いてゆくと、そこから名声を競い合うふたりの舞台奇術師の確執と悲劇のドラマが浮かび上がってくる。

本書は基本的にはSF・幻想小説になるのだろうが、プリーストの、ファンタスティックで独特のイマジネーションに支配された物語はミステリーとしても充分読み応えがある。また、文庫にして579ページと言う分厚い長編を一気に読み切らせるだけのリーダビリティーも併せ持っている。

本書は、SFを、その非現実性とかファンタジーから一歩踏み出して、ふたりの奇術師を主人公にした、よりリアリスティックな設定のなかで新しい幻想ミステリーに仕立て上げた名品である。
ミステリー、SF、ホラー。三位一体小説の不思議の手わざ ★★★★☆
 十九世紀後半から二十世紀初めにかけて、英国を舞台に繰り広げられた奇術師同士の争い。アルフレッド・ボーデン vs. ルパート・エンジャ。双方の日記を通して、それぞれが相手に抱く確執(もしくは、宿命の争闘)と、ボーデン、エンジャ双方の「瞬間移動」のイリュージョンの恐るべきからくりが浮かび上がってくるストーリー。
 第二部「アルフレッド・ボーデン」の記述にははっきりとした日付がなく、ぼやけた雰囲気が漂っている。一方、第四部「ルパート・エンジャ」での記述は日付がきちんと記されていて、第二部の記述を別の視点から描くという、いわば相互補完的意味合いを帯びているんですね。
 一番びっくりしたのは、ある奇術者の「瞬間移動」をイリュージョンたらしめていた、ほとんど悪魔的ともいうべきからくり。「そこまでするか!」と、一瞬、のけ反ってしまった。一方、相手方の奇術師が行った「瞬間移動」マジックの結果、思いがけない出来事が派生し、さらにそこから・・・・・・という話の展開にもぞくぞくしました。
 ミステリー、SF、ホラー・幻想と、それぞれのジャンルがクロスオーバーしているような味わい。ラストで話がもっとスパークしていたらなあと、そこがちょっと物足りなかった。
 本書をもとにした映画『プレステージ』の出来映えや、如何に?! 楽しみです。
二人の奇術師の名声をかけた確執 ★★★★★
対抗する二人の奇術師の名声をかけた確執をベースに、「瞬間移動」のマジックをSFとして描いて行きます。ここに登場するニコラ・テスラという科学者は、実在の人物のようですが、彼の発明を使って、「瞬間移動」を実現します。
しかし、それは「分身」に繋がってゆきます。一卵性双生児と「分身」の対決にもなって行きます。
これらの真実を解き明かしてゆくのは、二人の子孫の協力によってです。ここに、ようやく確執から和解への道が開かれたことになります。

非常に長い小説なのですが、読ませます。とにかく、わくわくさせてくれる小説です。
チャイニーズ・リンキング・リングのように ★★★★★
 素晴らしい大人のための物語です。
 ドラゴンもいません、魔法学校もありません、しかし間違いなくファンタジーの傑作です。
 そこに描かれるのは、ビクトリア朝時代の二人のマジシャン、新聞記者、若き「伯爵」婦人、幻の兄弟、全く関係の無かったそれぞれが、「きらきら輝く金属製の十本の輪」イリュージョンの「チャイニーズ・リンキング・リング」の様に、一瞬で鮮やかに繋がります。
 600ページ近い長編で、複雑な構成にも関わらず、一気に読ませるのは、作者のイリュージョン、翻訳者の力量でしょう。
 読み終えて、「何処からだまされたのだろう」、再度読み直し「最初からだまされていたのだった。」気持ち良くだませれて酔いしれる、そういう作品です。
 できれば前書き、あとがきに「ビクトリア朝時代」「ニコラ・テスラ」についての説明記述があればと思いました。
 なお「テスラ・コイル」の製作については、三才ブックスの「アリエナイ理科の教科書」を参照して下さい。