作者の妄想ワールドが全開、そして見事に昇華
★★★★★
作者のあけっぴろげな禁忌の妄想ワールドは本作でも炸裂している。最早『秋月ワールド』と評してもいい独特の世界観と言えよう。しかし、本作では前作『危険な訪問者 未亡人叔母の部屋 (フランス書院文庫)』のような近親相姦全肯定ではなく、主人公はずっと相姦の関係に遠慮と負い目を感じ、ヒロインの1人である主人公の叔母も禁忌の関係に悩み、さんざん悩んだ結果、主人公との関係を思い出に封印すべく突き放してしまう。しかし、全てを察したピアノ教師(これがまたです・ます調で話す清楚な小悪魔!超イイ!)の当てつけ作戦にとうとう我慢の限界に達し、盛大な3Pに突入していく。フツーならここでハッピーエンドとなるが、本作の贅沢なところは、とある理由によりプロローグのみで退場していた実母がここから再登場を果たし、自分がいない間に起きていたことに驚愕しながらも、叔母とピアノ教師から全くの正攻法で諭され息子と結ばれる。当初は童貞クンだった主人公が、実母再登場時(この間、約1ヶ月)にはスーパーテクニシャンになっており、その手腕に翻弄されまくる姿が超絶に可愛らしい。そしてラストは豪華絢爛な4Pへと向かうのである。なんだか箱を開けてみたら二段重ねだったお誕生日ケーキのようなお得さである。あと、ほぼ毎回2回戦、3回戦へと突入していくシーンのいやらしさも秀逸。じっくり丹念に描写され、内容の割に頁数が多いのも頷ける。ねっとりねっちりネバーエンディングなエッチシーンもまた『秋月ワールド』の特徴であり魅力である。さらに言えば、同じ禁忌を扱いながら作品により全肯定だったりちょっと葛藤してみたりと幅の広さを見せてくれるが、これを意図的に行っているのならば、この作者、相当の食わせ者だと、褒め言葉として言っておきたい。今回は脱帽の五つ星。