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対話篇 (新潮文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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対話の中から見つかる自我 ★★★★★
人生の転機は、人との対話の中から生まれることが数多くあります。
誰にも打ち明けられなかった悩みを抱えている時でも、人との対話を繰り返すことで、自分なりの解決策が見つかることもあります。

本書は3つの中篇から構成されていて、どの話も人生の希望を失った人が、対話を通じて自我に目覚め、自分の道を見つけていく過程が丁寧に描かれています。

自分を見つめ直すキッカケとなる本です。
しっとりとした物語 ★★★★☆
「 レヴォリューションNo.3」や「GO」などの疾走感あふれ、読んでいてすがすがしい気持ちになる金城作品とは一味違い、ゆったりとした、温かい気持ちになる作品です。やはり金城さんの作品のよさは、話に入り込んでしまい、一気に読んでしまえるということです。この作品も、3時間あればすぐに読めてしまえます。
さて、今回の作品は青春小説とは違い、さわやかな物語ではなく、死と生、そして愛について書かれた物語です。3部作で構成されていて、「運命を超越した愛」「運命から逃れるためには」「運命とひたむきに向き合うこと」について考えさせられます。
死はいつか必ず訪れる。だから、人は死という運命にどう立ち向かい、どう関わっていくのか。

個人的には第三部の「花」が一番好きです。最後にちょっと、うるっとしてしまします。青春小説物の金城作品とは一味違う、新たな金城さんの魅力が感じられる作品です。
目を見開き続けること ★★★★☆
「恋愛小説」「永遠の円環」「花」を集めた中編集です。記憶という一貫したテーマを背景に喪失感、孤独感を描いています。 目を背けることなく対峙していくことによってのみ見えてくるものがあるのではないでしょうか。


「幸せになりたかったら余計な洞察力と想像力を持たないほうがいい。それに、目の前に存在してる死から目をそむけて、手頃な快楽を追い求めて生きていったほうがいい。実際、ほとんどの人はそうやって生きてる」
置きにいく小説 ★★★☆☆
映画化もされた話題作「GO」以来の金城作品。
たしか「GO」を読んだとき、僕はまだ中学生だった。
母親が買ってきてくれた。気がする。

そしてこの作品は直木賞を受賞し、監督・行定×脚本・くどかんという今を輝くコンビで映画化され、数々の映画タイトルを獲得した。

まぁ映画は見ていないんだけど。


はっきりいってどんな文章で、どんな質で、詳細なストリーも覚えてない。
在日ってことと、青年が色んなものと戦っていたっていう印象程度。

小説なんてそういうものだ。

生まれてきて今まで何百冊と読んできたが、詳細なストーリーを僕の口から詳細に説明できるものは、最近読んだ5冊と「半島を出よ」くらいしかない。

そういうものだ。

小説というのは、読んでいる者の「現在」に働きかけ、その「現在」を刺激する。その刺激によってもたらされた読者の「創造」がインパクトを持てば持つほど、読まれた小説は記憶にとどまることができる。

しかしその「記憶」は決して具現化できるものではなく、あくまでも読者の「現在」でしかイメージとして構成されない。
だから印象に残っている、または良かったと思える小説は、結局友人や他人に紹介する際にかろうじて大筋を言える程度で、「なんとなく良かった」、「とにかくすごかった」という感想になりがちだ。

それが小説である。

なんてことを金城作品を読みながら思ったのはなぜだろうか。
それはやはり潜在的に「GO」という作品が「良かった」と思える作品だったからだろうし、それと僕自身が「書くこと」に飢えていたからだろう。


ここでやっとレビューを書こう。

正直この小説はあまり面白くなかった。
泣ける小説みたいな触れ込みだったが、そういう小説で泣けたためしがない。
なんというか、そういう意味でこの小説は、「置きに行った」小説だった気がする。

決して下手ではないが特にうまくもない。
構成に特段驚きも感動もなかった。

ピッチャーも芸人も「置きに行く」とろくなことはない。
そういうことでこのレビューを終える。
二十歳の頃に読んでいたら ★★★★☆
「本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を離してはいけない。なぜなら、離したとたんに誰よりも遠くへと行ってしまうから」 このフレーズが気になったかたは読んでみるといいと思う。

一作目の「恋愛小説」、食い足りないなあと思った。哀しくも美しい話だけど、ひっかかるものがない。それに村上春樹に似過ぎている(他のレビュアーさんも指摘されているとおり)。モチーフといい、文章といい、人物といい、構成といい、ポップな春樹という感じ。しかし、二作目、三作目と読み進むにつれ、ゆるやかに連なる三つの作品を収めたこの本の世界が愛しく思えるようになって来た。死期迫る青年の最後の願いが思いがけない形で遂げられる「永遠の円環」。頭の中に爆弾を抱える青年と初老弁護士のロードノベル「花」。二十代の青年が主人公(一作目は三十代だが回想中心で主に語られるのは大学時代の話)、いずれも死の匂いの濃い物語でありながら、キャラクター、構成、雰囲気がよく書き分けられていると思う。
「対話篇」という一見奇妙なタイトル。タネ明かしをすれば、三話とも、対話が物語の重要な部分を占めるということ。主人公と接点の乏しい人物が対話相手になる点が共通しており、これがスリリングで吸引力がある。思わず主人公の立場になって、相手の話に聞き入って(読み入って)しまう。その対話を通して、繰り返し届けられるメッセージが冒頭の「本当に愛する人ができたら・・・」なのだ。さらに書き加えれば、「記憶」にまつわる物語でもある。
主人公たちのセリフ、寓話的エピソード、いささかわかりやす過ぎる点が気になる箇所もあったけれど、もし主人公たちと同世代、二十歳前後に読んでいたら好きな一冊になっていたかもしれないなと思った。というわけで、少し甘い採点で☆4つ。