北海道の紀州犬
★★☆☆☆
ヒグマを倒す名犬として知られる紀州犬「熊五郎」について取材した本。
第一章は紀州犬の歴史について。この部分はそこそこまとまっていて面白かった。しかし、第二章以降、本題の熊五郎の話に入ると、途端におかしくなる。熊五郎とは知床で猟犬として飼われている紀州犬である。その血統、生い立ち、初めて猟に出た話、ヒグマを倒すまでなどが順を追って語られているのだが、どうにもまとまりがない。どうにも、著者の目指すものが見えてこないのである。ノンフィクションなのか、動物文学仕立てなのか、それすらはっきりしない。どちらであるにせよ、三流の出来であるのは間違いないのだが。
熊五郎への盲目的な賛美がだらだらと書かれている本。