「無償の愛」
★★★★★
5年前のスマトラ沖地震の影響で母親と群れからはぐれ、
奇跡的に助け出された赤ちゃんカバのオウエン。自然公園で保護されることになり、
そこで推定130歳のアルダブラゾウガメ(陸亀)のムゼイに出会います。
カメは群れで生活する習性がないので、当初ムゼイはオウエンを警戒していました。
でも次第にオウエンの熱意に動かされたのか この赤ちゃんカバを受け入れはじめたのです。
絵本では、次第に元気を取り戻していく赤ちゃんカバのオウエンの姿が伝えられます。
哺乳類と爬虫類が仲良く暮らすのはとても珍しいそうで「奇跡としか言いようがない」
という専門家もいるそうです。
今では食べるのも、泳ぐのも 眠るのも一緒というこの2匹 。
日本語好きという英国人ハーフのベッキーが翻訳者として、なかなかいい訳をつけています。
彼女が特に意識した表現では、訳はオウエンやムゼイ"They"の部分で二匹を動物扱いせず
「2人」という風に表現し同じ仲間として扱うことを心掛けています。
生態学上も哺乳類と爬虫類が心を通わせることだけでも珍しいのに、
片時も離れることのない2匹の写真を眺めていると、本当に理屈ぬきに強い絆に心を動かされ
無償の愛を感じてきます。
見返りを求めずに、赤ちゃんカバに愛情を注ぐ老ガメ。
人間はすぐに損得を考えてしまう。オウエンとムゼイは動物を代表して、利害や損得のない
無償の愛というのを、種の壁を越えて、人間にメッセージとして届けてくれています。
・・・種を超えて。
そんな愛が存在するなら人間だってきっと、民族、宗教、思想の壁を超えて、必ず解り合える、
尊重し合える―そんな糸口がこの絵本に沢山詰まっている気がしました。
「無償の愛」最近周囲でめったに見れないーというか感じられなかったからこそ、こころから感動した本でした。
湘南ダディは読みました。
★★★☆☆
動物の目はどうしていつもあのように悲しみをたたえているのでしょうか。馬でも牛でも動物園の猛獣達にしても、過ぎ去った野生の栄光の日々を思い出しているかのように、あるいは我が家の飼い犬が時々そうするように人間の愚かさを哀れむかのように、深い悲しみをたたえています。この本の表紙で子カバがゾウガメのそばに横たわっている写真を見た時にはオウエンがまるで泣いているように見えました。
これは2004年12月に起きたインド洋沖地震の津波により群れから取り残されてしまった子カバのオウエンが、搬送された動物園で出会った130歳にはなるというアルダブラゾウガメ、ムゼイにより再生する実話の写真集です。
爬虫類と哺乳類、しかもいずれも暴れればきわめて獰猛な種の違う2匹が互いを受け入れあうのは、生物学的には大変稀なことだそうです。私が感動したのはこの本の写真がとらえたオウエンの目が、ムゼイとのかかわりが進むにつれ徐々にその表情を変えていっている点です。最初の頃の写真では群れから離れ親を失った悲しみや恐怖を漂わせているようにみえるのですが、やがて二人で共に食事をしている時の安心しきったような目をした写真から、オウエンがふざけてムゼイの背中をこすっている写真になると、オウエンの目はまるで悪戯っ子の目のように可愛いものになっていきます。
人間以外の生き物では、人間のように白目の部分が目立つことはないという話を聞いたことがあります。白目の部分が大きいと相手が強気か弱気がわかるので、二匹で争う時に不利になるというような説明だったと思います。しかしどうやらそうでない場合もあるようです。なぜならムゼイもオウエンも確かに全く黒目がちなのに、悲しみや喜びをその瞳に表していることが私にはよくわかったからです。(ロングバージョンのレビューは http://shonan.qlep.com/のレジャー→エンタメでどうぞ)
とっても大切なナニカがある本
★★★★★
子供だけのものではない本です。現代人が失っている心温まるナニカがある本です。子供の本と思わないで大人、特に
疲れている大人に読んで欲しい本です。じっくり読むとジーンと心に響いてポロっとなぜか泣けてしまうほどです。
カバとゾウガメという姿、かたち、種族を超えた『愛』が素晴しい!の一言です。この本を読んで本当に良かったと
思える本です。是非、読んでください!!
気持ちがほっこりなります
★★★★★
ひと言で表現すると、心があたたかく、気持ちがほっこりなる実話絵本です。
絵本といっても写真絵本なので、よりリアルで癒される本です。
本来なら歩み寄ることがないはずの「赤ちゃんカバ」と「ゾウガメ」が仲良く寄り添って生活している話です。
ゾウガメの後をついて回る赤ちゃんカバの姿は本当にかわいらしい!子供が母親を求める気持ちは人間と同じ。そして、気持ちは通じ合うものだと胸がじぃぃんとしました。
4歳の娘への読み聞かせはまだ全部は聞いてくれませんが、写真をうれしそうに見て、かわいいねぇ。。と言っています。話はあたたかさは伝わっているようです。
ハードカバーでバッグに入るような大きさの本なので、公園でまったりしながら読んでもいいと思いますよ。
2ひきの友情に感動
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ベッキ−が翻訳した 今話題の児童書です。きっと大人も、この本で感動するのではないでしょうか。 130歳にもなる ゾウガメ(ムゼイ)のことを カバの赤ちゃん(オウエン)は親だと思いこむ。始めは、年寄り ムゼイは オウエンを遠ざける。しかし、何度も寄ってくるオウエンを可愛く思うのか、次第に ムゼイがオウエンを追いかけるようになる。信じられないような不思議な話しだ。
この本を読んだ方は分かるが、写真がたくさんついており、いつも オウエンとムゼイは一緒にいるのだ。2人が一緒にいる友情のようなものに感動した。