トキワ荘の青春。
★★★★★
トキワ荘の漫画家の卵達は、見事に全員が孵化し、羽ばたき始めました。
ぐんぐんと成長していっています。
彼らの興味はあらゆるものに向いています。
アニメ、TV、写真、野球、きれいな女性・・・・。
まさに至福の瞬間。トキワ荘の青春、春を過ぎ温かくなり始めた頃がこの巻にあたりますでしょうか。
同じ志を抱いて、良く似た境遇の、才能に溢れる、同年代の若者達の、気持ちの通い合った時間です。
一生に一度、こんな時間を過ごせれば。
子供達に伝えるべきことがあるとしたなら、このことだと思います。
トキワ荘だ!
★★★★★
トキワ荘に集った漫画家たちの青春群像劇である。「まんが道」の続編。前作は子供向けだったが、これは大人向きに書かれている。昭和30〜40年代の空気感が濃密に漂い、自分もそこにいるような気持ちにさせられる作品。日本の漫画史に興味のある方はぜひどうぞ。
変わりつつあるトキワ荘
★★★★★
横山隆一率いるおとぎプロで見たアニメーションの素晴らしさに
すっかり魅了、高嶺の花だったテレビを購入し、仕事の息抜きに野
球をしたり浮世絵を描いたり。そんな変わらない楽しい日々が続く
中で、テラさんがトキワ荘を去る日が近づいていくことに満賀は寂
しさをひしひしと感じていた。
本編とは関係ないが、野球チーム「エラーズ」のメンバーがいわ
ゆるトキワ荘グループで構成されていることに注目。寺田、藤子、
赤塚、石森、つのだのほか、長谷、横田等が名を連ねる。風森もい
るが全く登場しない。このへん、いろいろ事情があるのだろうか。
新宿十二社のつのだ家を訪れるシーンが印象的だ。「ここは下町
だね」「うん、高いビルなんかないし、なんともいえない情緒があ
るね」と語る一行。淀橋浄水場は超高層ビル街となり、十二社通り
も高層ビルが軒を連ねる現在からはとても想像できない。
もっと藤子不二雄の活躍を知りたいのだけれど
★★★★☆
色々と言われることはあっても、やはりトキワ荘の人々は日本のマンガ界において特別な位置を占めているのだと思う。だから、彼らがどのようにしてマンガを描いてきたのかということは、大変興味深いことだ。そして、これもまた色々と書かれてはいるのだけれど、やはり当の本人たちの証言を知りたくなる。
で、この『〜しりそめし頃に』を読み続けているのだけれど、ここ7巻まででやや冗長な面が気になったりする。エピソードの集まりで、それが後の活躍のどこに繋がっていくのか、今ひとつつかみがたい。
まあ、あのトキワ荘の話と思わずに読めば、それはそれで面白いのだけれど。特にこの巻では、テレビを購入する話などあり、この頃流行の昭和30年代の雰囲気を味わうことができる。