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本居宣長〈上〉 (新潮文庫)

価格: ¥746
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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この本を読むための準備 ★★★★★
著者 小林秀雄氏は、この本に数多く載せられている

引用文をきちんと読むよう、要望されています

(下巻末の江藤淳氏との対談等参照)。


しかし、これらの引用文は、一般の大学教育までの

読書力では、とても読めません。

読むためには、儒学(朱子学、仁斎学、徂徠学)、仏教

についての概略的知識、日本式漢文(候文)の読書力、

それに国学、道教、神道についてのある程度の知識が

必要です。


ですから朱子学の概説書、伊藤仁斎、荻生徂徠の基本著書、

大乗仏教一般、また禅についての概説書、国学、道教、神道の

通史などについて、読んでおく必要があります。

とてもシンプル ★★★★★
 小林秀雄によれば、宣長の思想は「源氏物語や古事記は、日本のものなのだから、外来思想(漢意=からごころ)を捨てて、素直に読めばいい」(大意)というに尽きる。
 そして小林秀雄自身もまた、その方法で素直に宣長を読み、伝えようとしている。
 宣長は、儒教は有害だが孔子は「よき人」であるという。ひとりの人間としての共感があったのである。本書も、小林秀雄の宣長への共感を基礎としている。
 構成も、折口信夫とのエピソードから、宣長の思想をよく示した遺書、宣長に至る学問の前史(契沖や賀茂真淵)、というふうにオーソドックスだ。
 上巻の最後のほうに、やや難しい箇所がある(というか急に難しくなる)が、そこは著者も難しいと言っている。故意に難解にしているのではなく、知的な格闘として当然だろう。


正直に言おう! ★★★☆☆
はっきり言って、おもしろくない。人の感じ方は千差万別だから決め付けるつもりはないが、これが小林秀雄の最高傑作だ、というのは、内容とは別の思い入れがあるとしか思われない。たしかに、比較的最初のところで、宣長に到る江戸思想史のようなものが語られ、そこはなかなか読み応えがある。そのうえ、「科学」として「生活」からどこか遊離していくような近代の諸科学とは違って、個々の個性と生活に結びついていくような「学問」のあり方が、示唆的であり、確かに「何か」に触れるような予感が与えられる。が、基本的には冒頭の折口信夫との勿体つけた書き出しとか、信念・思い入れが先行しまくっている全体の論調は頂けない。「モオツアルト」や過去の諸作品の中の良くない部分が総括されたような悪さだ。なによりも「退屈」なのだ。どんどん引き込んでいくような牽引力は、話の面白さか、でなければ、悪戦苦闘してでも発露しようという強固な「思想」への意志がなければ、まず無理である。「考えるヒント」のなかの徂徠らの小編はむしろ見事で、あのように語る古学との邂逅を、本書に期待したが駄目だった。著者はたまに鴎外の史伝に言及することがあったが、もしかすると、「近代」以前の「思索」の独創性を回復したいという点で鴎外に通じるものがあったのかもしれない。それが実っていないとなると残念に思うが、読者の無闇で勝手な期待でしかないことは分かっている。
書評に ★★★★★
付け加えるとしたら、この作品が、氏の最高傑作と思う。皆さんどう思われますか
信じ、愛する哲学 ★★★★★
 難しい本ですが、1日10ページ程度のペースで徐々に読み進めていきました。「倦まず、怠らず」という宣長の言葉に従い、宣長と小林にすがり付いて、時に立ち止まり、前に返りながら読みました。それがこの名作の読み方だと思ったからです。

 読むほどに、宣長が好きになっていきました。前向きな力をもらえます。宣長は「源氏物語」=紫式部に自らを重ね、小林は宣長に自らを重ねながら、それぞれの思想を深めていきます。その確かな足取りが感じられます。

 他人がなんと言おうと、自分がこうだと思うことを素直に信じる熱い人。宣長の「源氏」を評する態度が、作者を信じ、深く愛する心に基づいていることを知り、小林は深く共鳴しています。それこそ、小林が「様々なる意匠」を書いた若い頃に獲得し、生涯変わらなかった批評の態度であり、宣長という力強い理解者を得た小林秀雄の静かで深い喜びが聞こえてくるようです。

 小林秀雄の講演のカセットテープが新潮社から出ています。「本居宣長」を理解する上で役立つだけでなく、こちらも大変、面白い講演です。あわせて聞くのをお薦めします。