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アッラーの花嫁たち ―なぜ「彼女」たちは“生きた爆弾”になったのか?

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: WAVE出版
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圧倒的迫力! ★★★★★
チェチェン紛争で利益を得ている人間がいて
自爆テロで死んでいった女性たちは、いわば「使い捨て」にされたに過ぎないことを
考えさせられた。

どこの戦争でも、結局は「利益」を得る商人がいる。
軍需産業は、戦争がないと成り立たないのだから・・。

ロシアで発禁処分になったのもうなづけるショッキングな内容に圧倒された。
素晴らしい一冊です。
本当のチェチェンの悲劇 ★★★★☆
チェチェン紛争の本質とは何か深く考えさせられた。
これは世に言われるような民族紛争でも宗教紛争ではない。
ロシアにもチェチェンにも紛争が長引く事で利益を得ている人間がいる。そして彼らの意図的であれ、無意図であれ、共同作業により扮そうが泥沼化している。
その被害者はチェチェンの民衆であり、最大の被害者が女性自爆テロリストたちである。

チェチェン社会の最も弱い存在である寡婦などの女性たちを、その絶望を利用して自爆テロリストへと仕立て上げる。その悲劇的な社会の実相を若きロシア女性ジャーナリストが調べ上げ、この書となった。
衝撃的内容はロシアで発禁処分になったという話のも納得できる。

著者がまだ若いからか、翻訳のせいかどうかわからないが文章はあまりこなれたものとは言えない。それが却って著者の取材対象への同情と思い入れを強く感じさせるものとなっている。
個人個人の悲劇が綴られた書 ★★★★☆

宗教や文化、風土が絡んでいると根深くて難しい問題がある、とあらためて思いました。
女性の地位とか、その社会の習慣とか。
ある習慣や風習を自分たちのと比較して異なるからといって、それが悪いとも言えないのですが、弊害はあるんだろうな、この社会・・・と思います。

しかし、この悲惨なチェチェン情勢だったら、テロが起きても当然だと思う。
戦争の悲劇、母親の悲しみ、若い娘の恋愛、若さゆえの無知、家族全体・社会全体の貧困。
ロシア政府の態度、“国際社会”の無視。
私たちにも充分理解可能な事情から、自爆テロ犯になった女性たちもいます。

しかし、注釈や解説がありません。
チェチェン問題をまったく知らない人向けではないと思う。
私はアンナ・ポリトコフスカヤの「チェチェン やめられない戦争」を読んだことがあったので一応少しは知っていたのですが、それでも、訳注があるといいなと思いました。
なので星4つ。

もし2冊を比較してどちらを先に読んだらいいかと考えると、

1冊目「チェチェン やめられない戦争」
2冊目「アッラーの花嫁」

の順番で読むといいと思います。
どちらもロシアの女性記者が書いた本ですが、どちらかというと前者のほうがジャーナリスティック。
ポリトコフスカヤのほうがベテランだし・・・。

しかし「アッラーの花嫁」の著者は、取材・執筆当時は弱冠22歳。
1981年生まれの人。
よくぞここまで! と思いました。
(どうでもいいことですが、カバー折り返しにある著者近影は女優ばりの美人でした。同性ながら。)

余談ですが、原文を知らないし読めないのでなんとも言えませんが、だいぶ口語的な翻訳だなと思う箇所もあり。
「こういう話は書きたくなかったです」とか。いいのかな。
「書きたくありませんでした」ぐらいのほうが個人的には好み。

女性テロリストの素顔 ★★★★★
全く驚かされた。
今まで知らされていたイスラム女性戦士の素顔といえば、夫や子供を殺されイスラムの厳しい戒律の中、再婚することもかなわず、復讐の鬼と化した彼女たちが自らの意思で自爆テロを行うというものだった。
しかし、チェチェン独立闘争に参加した女性戦士の遺族を訪ね歩き、彼女たちの素顔に迫ろうとしたロシア人ジャーナリストの知りえたものとは・・・。
例えば、ロシアで起こったオペラ座占拠事件。
そこに加わった女性戦士は皆20才前後の若者たち、彼女たちは独立の大儀でもなく、宗教に殉ずるためでもなく、うまいこと言いくるめられ町内会の集まりに参加するような気軽さで集まっていたのだ。(しかも帰りの切符まで持たされて・・・)
彼女たちは皆ロシアの特殊部隊によって頭を打ち抜かれて死んだ。
彼女たちは日本の若者と同じように、希望に満ちた将来の生活を夢見ていただけなのに、自分に向けられた銃口をどんな思いで見たのだろうか?
彼女たちの後ろにいる黒幕たちとは・・・。
読んでいて、少し気がめいるようなレポートである。
涙が止まりません。 ★★★★★
読み進めることが非常に困難でした。
全てのエピソードがあまりにも壮絶で。
目の前で夫を殺された若い妻、何も知らずに親に売られるようにして連れて行かれる若い娘たち・・・。
誰も死にたいとは思っていない、そして自爆テロによって多数の人を殺したり傷つけたりすることを望んでなどいない女性たちが残酷にもリモコン操作の自爆装置で殺されている現実に憤りを感じます。
誰もが感情を持ち、生きているというのに、死ぬしかない状況に追い込む男性・親・・・。あまりにもひどいと思いました。

でも、この現実を伝えようと取材を続けた著者の存在に少しだけ救われました。
同じ若い女性が憤りを持って現実を伝えている渾身のノンフィクションです。