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群青の夜の羽毛布 (幻冬舎文庫)

価格: ¥600
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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強い人弱い人 ★★★☆☆
中古で、゛状態かなり良い゛とあり送料+1円で購入したらほぼ新品同様でうれしい。<内容>について。 登場人物の中で一番か弱いヒロインが実は一番強かったのでは?もしくは鉄男が強くさせたのかも…。そして弱い母親を持つ者同士だからお互い惹かれあったのかな。 罪滅ぼしとは言え、父親も絶望から救ったのだし…。さとるは鉄男が去ってもたぶん大丈夫だろう。逆に共に家庭を築いてもあの二人なら、母親を反面教師に負の連鎖は断ち切れそうな予感を持ちました。
ミステリータッチの作品 ★★★☆☆
山本文緒の作品は、過去に数冊読んだことがあったが、この作品はストーリーが面白そうなので、手にとってみた。ジャンルで言うのならば、恋愛小説なのだろうか、それともミステリー小説のような気も。全体的に、主人公が病弱、陰気で明るさの無い家族、など、主人公を取り巻く雰囲気が暗い。しかし、こういう家族は、実際に存在するかも知れない・・・。特に、母娘関係が注目すべきところだと感じた。実際、私の場合でも、少し似ている部分があるような気がしたから、共感できるところは多かった。結末も悲惨なもので、読後にも何ともいえぬ重い気持ちになってしまったので、この評価。あまり、この作家とは相性が合わないのかも知れない。
たんたんと・・・ ★★★☆☆
小説を読むとき主人公に感情移入したり、登場人物に自分を重ねてみたり、応援してみたりするのはよくあることではないだろうか。しかしこの小説にはそれらが出来なかった。主人公のさとるの神経質すぎるキャラクターや、彼女を好きになる大学生の鉄夫の「のんべんだらり」とした性格からも応援する気にはなれなかった。またキーパーソンのさとるの母は高圧的で、私自身の母親と重ねるのにはかけ離れ過ぎていたのも理由にあげられる。どこかシラ〜とした気持ちで読み進める一方で、この家族の結末が知りたいという欲求にかられる物語。山本文緒の他の作品といい意味で違ったタッチなので、彼女がすでに好きな方にはオススメします。
恋愛小説?いやいやサイコホラー? ★★★★★
高圧的な母親、気弱で狂気にからめとられた父親、母に虐待され対人恐怖症の姉さとる、一人正気を保つ妹みつる。さとるに恋をした大学生鉄男が家を訪れ徐々に狂気に満ちた家族の姿を見つけていくさまはサイコホラーといってもいい。
前半はさとると鉄男の淡いラブストーリーなのに後半の怒涛のセックス&ヴァイオレンス。文緒センセイさすがです。ラストまで読んでもイヤーな読後感。続きを読んでみたい。きっと誰も幸せにならないんだろう。みつるを除いては。でも顔を焼かれて鉄男の田舎に嫁ぐであろうさとるのその後が気になる。
自分と重なる感覚 ★★★★★
久しぶりに読み返して、改めて感動しました。

登場人物のキャラクターが立っていて、それにあのプロットの上手さ。

純文学でもあり、恋愛小説でもあり、ミステリーでもあり、映画のシナリオでもあり、ジャンルを超えた凄い作品だと思います。

いろんな読み方ができるんじゃないかなぁ。

大河小説の序章ととらえて、その後のストーリーを想像するのもおもしろいし、自分のいろんな人格をさとるや鉄男、さとるの母親や父親に投影してみてもおもしろいと思う。

個性の強い登場人物たちは、みんなの中に潜むたくさんの人格をあらわしていると感じます。

また、あのつらいストーリーは、誰にも隠して言いたくない本音の部分がみんなあるんだよということを私たちに伝えているような気がします。

いつまでも自分自身と闘っていかなければならないんだなぁ、と感じました。