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軍事学入門 (ちくま文庫)

価格: ¥840
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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要点を押さえている ★★★★★
なかなか素晴らしい本です。しっかりと軍事に対する疑問点を作者が解りやすく説明してくれます。戦争の理由がよくわかる素晴らしい本です。
軍事を広い観点から俯瞰する入門書 ★★★★☆
 19世紀以降の戦史に詳しい別宮氏による軍事・戦争に関するQ&A集である。通常の大学の一般教養に国際政治学や戦争学がほとんど無いため、我々は世界諸国に比べて非常にこの分野への理解が乏しい。この本では、様々な疑問に歴史的事実を持って回答してくれる良書である。
「宣戦布告なしの開戦は合法?」
  →「はい。宣戦布告とは国内及び中立国向けが主眼だからです。」
「クラウゼビッツの“戦争は他の手段をもってする政治の延長である”は本当ですか」
  →「近代的参謀本部の設立以降、外交と関係しない戦争が発生したため、現代ではNOです。」
「民間人が軍隊に対抗できる?」
  →「独裁者に率いられた軍に対しては不可能です。1万人集まっても、小銃で武装した200人に蹴散らされます」
「軍人は好戦的か?」
  →「絶対に勝てる保証が無い限り、将軍というものは非常に臆病です」
「戦争になりやすい国は?」
  →「隣国同士です」
といった具合で、その内容には唸らされるばかり。
 止めの一発は、「ハト派のフリをして口先で平和を唱え、隣国と友好第一を唱える人物が、じつは平和にもっとも危険なのです。」
 どっかの国にもいますね。
企画自体は面白いのだが……… ★★☆☆☆
大層なタイトルが付いているが、戦略や戦術等についての専門的な話が出て来る訳ではない。「戦争はどのように始まるか」「戦争の『大義』とは何か」「勢力均衡について」「戦争を起こさない法」等の設問をずらっと並べ、19世紀以降の戦争の事例を参考にしてそれらに回答すると云う内容。『戦争ってなに? なぜなに一問一答』とでもした方がいい。日本の学校教育ではこうした事柄を議論する場は略皆無に等しい為、企画自体は大変面白い。

但し答え方が余りにも恣意的でいい加減。大体、上記の様な非常に一般性の高い問題について、各々僅か2、3頁で本当に答えられると思っているのだろうか? 例えば、時には外交に於て軍事力が重要性を持つ局面があることは解るが、そこから「軍隊は平和を維持する唯一の積極的手段」などと一気に一般的結論に敷衍されては、首を傾げざるを得ない。また著者は「弱気」の外交はどうしても許せないらしいが、平和主義は他国からの侵略を招くから駄目だなどと、「銃を持たなければ強盗に襲われる」と考える一部のアメリカ人並みの発想で以て、武力の保持自体が攻撃の口実とされる現状をどう説明する積もりなのだろうか? いちいち挙げればキリが無いが、物事を単純化し過ぎて現実が見えていないか、見る気が無いかどちらかとしか思えない。

他にも、この著者は悪者を作るのが大好きらしく、「イスラム国家は侵略を容認する」「共産主義者は人がモノやカネだけで動くと思っている」「日本の平和運動家の多くはマルクス主義者」「中国は民族主義教育を行っているので、日本が友好を求めても無駄」等々の妄言がてんこ盛り。その一方で例えばイラク戦争を侵略戦争と認め乍らも、石油目当てではなくフセインが「かつて侵略戦争を実行し」「テロリストを匿い」「悪逆非道に統治した」からだなどと、アメリカに対しては忠犬的姿勢を崩さない。著者の頭は半世紀程前に成長を止めてしまったものと見える。本書を読んでも幾らか得るところが無い訳でもないが、「国際政治は食うか食われるかしか無い」と云う前提に立つ人ではなく、もっと相対的な視点を取れる方に書き直して貰いたい。
大人になるための読み物 ★★★★★
軍事の話をすると、酒場でも会社でも、途端に「ヤメ、ヤメ」みたいに
年長者は両手で場の空気を変えようとする。「士農工商××軍事」か?
この日本では正義で戦うことも、暴力から身を守ることもまともに
論じることができない。そんな国にあって、同書のような卓見は、大いに
広く読まれることが望ましい。恐怖とか、暴力とか、「煽り、煽られ」る
ものではない。戦争=軍事行動は政治の延長なのだから、「民主的に」
行なわれることもわかってほしい。
平和を維持するためにこそ ★★★★☆
平和の維持のためには軍事というものを近代史に照らして学ぶべきであり、この本はその役目を果たしていると感じた。
この本には目から鱗が落ちる話が多かった。以前は非武装中立の思想に惹かれるものを感じていたが、この本を読んだ結果、自国を弱く見せることこそ戦争を誘発するのだということを認識した。また、容易に降伏することは同盟諸国への裏切り行為であることも認識した。かつて第1次世界大戦でドイツに対して毅然として立ち向かったベルギーの姿は精神的に素晴らしいだけでなく、政治的にも正しい。
この本からは、平和とは現状の境界線維持であるということも学んだ。主義主張、誇大な構想、ロマン主義によって戦争は誘発される。居心地が悪くとも、現状の維持のために外交および軍事的な努力を続けることが重要であると感じた。