さらば友よ、万感の思い。
★★★★★
第2巻は、3つの特徴を備えています。
1.「愛・・しりそめし頃」の2巻目としての物語です。
連載を6本抱える人気漫画家になりましたが、そのすべてに穴を開けるという事件を起こし、一時的に 出版界から干されてしまいます。
まんが道しかない、と東京に出てきてひたすら再起を期す時代です。
園山俊二氏との出会い、石森氏のお姉さんへの淡い恋心など青春物語になっています。
2.「さらば友よ」
盟友、藤子F不二雄氏に捧げられた追悼作品です。
「まんが道」「愛・・・しりそめし頃」は、藤子不二雄という2人で1人という稀有な作家の結成から 成長を描いた作品ですので、この本を読めば読むほど、藤子不二雄A氏の心情に近寄ることになると思 います。
死んだといわれても、実感が持てない。
コンビで一緒に漫画を描いてこられた二人ですから、普通の仲の良い友達どころの絆ではないんじゃな いかと思います。それこそ、一心同体。自分が生きていれば、彼もきっと生きているに違いない、と思 えるのかもしれません。
3.「ロケットくん」の掲載です。
足塚不二雄時代のヒット作が巻末に付されています。
まんがはロック音楽に似ているように思います。藤子不二雄氏は、レノン・マッカートニーにそっくりです。レノン・マッカートニーで実際に共作したのは初期のころだけでした。藤子不二雄氏もオバQまでだそうです。レノン・マッカートニーは曲を聴けばどちらの曲かすぐわかります。藤子不二雄氏の作品もどちらが描いたものかすぐわかります。
まんがを読むと頭が悪くなる、とか、まんがを読んでも本当の感動を得られないとか、子供に悪影響を与えると手塚治虫先生でさえ批判に晒されました。ロックも若者を堕落させる音楽と非難されました。
しかし、今では、まんがのない世界は考えられないですし、ロックの影響を受けていない音楽もありません。トキワ荘は、ロックにおけるリバプールになるのでしょうか。
そんなことを考えながら読み進めています。
最高のパートナーへの最後のはなむけ
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逝去したF先生への追悼漫画「さらば友よ」が収録されている。これを読むだけでも価値がある。
コンビを解消し、その後一度も仕事場を訪れていなくても、二人の変わらない友情は、心の奥深いところで通じ合っていた。子どもの頃と変わらない関係。その終焉による空虚感。まんが道とも、愛知りにもない読後感。涙が止まらなかった。
はぁ~納得。
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私は「まんが道」を読んで、愛しりそめし頃に…を読んだ派でしたが、まんが道ではわからなかった部分や、「トキワ荘」についても詳しく描かれていると思います。
まんが道を読んだ事があるヒト、読んだ事がないに関わらず、とても興味深く読めると思います。