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大阪不案内 (ちくま文庫)

価格: ¥819
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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アサヒですか、キリンですか? ★★★★★
 大阪本ということで「食い倒れの大阪」のイメージを作りたいのか、やたらと飲食街とそこで食べることのできるC級グルメのことを書いているが、正直言って、最近の大阪の食いもんは美味しくないとは、私もそう思う。「杵屋」のうどん、「金龍」のラーメン、「みんみん」の餃子、「どれもとびきりうまいとは思わなかった」と書いているが、なんでよりによってこんな店に行ったの?ラーメンは定番だが、やはり「こたん」、餃子は堂島地下の「TSUBOYA」というのが、21世紀大阪ではほぼ相場なのに・・・・・。もっとも、このランキングは毎週のように変わるが・・・・・。

 今流行っている吉本興業の大阪弁、あれは嫌いですという帝塚山の住人がいるが、同感である。ガラの悪い吉本の芸人が使っているだけで、罰金ものである。そういえば、本書に登場してくる大阪の人はみんな綺麗な大阪弁を話しているので安心である。それにしても、著者が出会い、話を聞く大阪人は、圧倒的に個人事業主の人が多いのは何でだろう、サラリーマンがまるで出てこないのだ。

 「大阪不案内」というだけあって、大阪市内のどちらかといえばいいところを見歩いた、そうはいっても、立腹するほどのこともない、総じて好意的な大阪散歩雑記録ではある。もっともナンバ、心斎橋等のミナミの繁華街を歩いていないのは片手落ちか。また、ガイド・ブックとか大阪解説本の内容を書き写しているような、つまり歴史等々をお勉強して書かれた箇所が多々見られるのは残念ではある。自分の言葉で書いてもらいたかった。