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海の鳥・空の魚 (角川文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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名前,表紙が、さらに内容を盛り上げている。 ★★★★★
表紙の絵が素敵なので手に取りました。

萠 鷺沢
めぐむ さぎさわ
という名前
にも驚きを感じました。

群ようこ
さんが解説を書いていますが,納得できました。

内容は,すべて短編で,21あるので一度読んでみるのがよいと思います。

最初の「グレイの層」

著者の姉かもしれない登場人物。
最後のページをめくると,ただ一行。
「ねえ,わたし、あなたと結婚したい」

すごい。ここまで余韻を残して断言できる展開に唖然とした。
この人の本をたくさん読んでみようと思いました。
自分の欠片たち ★★★★★
鷺沢萠の小説全般にも言えることだけど、この『海の鳥・空の魚』を読むと、色々な時代の自分を思い出す。
何かが違うと感じていた子供時代。
自分がだんだん壊れていくのを感じ始めていた中学生時代。
取り戻すことの叶わなくなったものの余りの多さに気づき、絶望していた二十歳の頃。
それぞれの時代のそれぞれの怒りや痛みや苦しみが、この作品を読むと甦ってくる。
でもそれは決して嫌なことではなく、そこには、今の自分になるために、かつて懸命にかき集めた欠片たちが確かに存在していて、懐かしさと共に今まで歩いてきた道を振り返ることができる。 だから私はこの作品が、それぞれの話で苛立ったり嫉妬したり挫折感を覚えたりと、思い通りに人生を歩めない登場人物たちのことが好きだし、彼らのことを、とても大切な友人のように思うことができる。
鷺沢さんの作品の中では、『ウエルカム・ホーム!』の次に好きな作品です。

グレイの層の人々 ★★★★☆
最初の「グレイの層」のグレイの層というのはこれまで読んできた作品各所にも散見したレトリックである。自分なりに解釈すれば「きらびやかな勝ち組みではなく、やや負け組みに近い平凡な一般人、庶民の生活の堆積するところ」といえるようだ。

第7編目の作品「ほおずきの花束」。衝撃的な出会いだった。再び読んでみても所収されているほかの短編とはオーラが違う。さわやかな風が吹いている。出会ったときはそう感じられて、鷺沢萠のファンになった。こうして再び遭遇する。なんかとってもかわいいキャピキャピ女子校生。おじさんの暗い日常を吹き飛ばしてくれる。
でも、待てよ。今回、読み続けてきたせいか、素直に本作品の明るさを素直に受け入れられなくなっている。梅雨どきのめずらしく見せる晴れ間のようである。

最後の作品「卒業」。お姉さんのしでかした滑稽だが簡単には笑えない企み。笑いが複雑で、それでも少しは元気づけられるかな、といった多少苦みばしったシチュエーション。あんまり深刻にならないのは、お母さんもお姉さんも自律したしっかり者だから。
ちなみに働きの悪い消えたお父さんとこの母と姉の間に主人公の珠美は位置し、まさしくグレイの層の住人だ。

あとがきでは謎めいた「海の鳥・空の魚」の説明がある。
ちょっと前に進めなくなった時に読む ★★★★★
 初めて読んだのは高校生のとき。
 同じことをただ繰り返すだけの毎日に、それに抗えない自分に、やり場のない気持ちを抱えるだけだったまさにその時、出会いました。
 この本の主人公たちは、ちょっと世間からずれている何かにひっかっかていて、前に素直に進めない。
 だけど、ちょっとした視点を変えるだけで、いやだった日常が変わってくる。そんな印象を受けました。
 今まで友人2人にプレゼントとして贈りましたが、今でも時折読んでいることが、なにより嬉しいですね。
一瞬の光 ★★★★☆
「短編小説」と言うよりは「掌編小説」と言ったほうがいいほどの、短い作品集です。
若いころの一瞬の出来事が、その後の人生を支えたり、変えたりしていく。大きな人生一部分を、ズームレンズで切り取ったようなそんな作品ばかりです。
鷺沢萌は初読でしたが、人生と言うものに真正面からしっかり向かい合った作家だったんだなぁとおもいました。だからこそ、あんな形での「死」を選んでしまったのでしょうか?残念です。