女子高生は刺身!?
★★★★☆
今や女性が仕事を持つのは珍しいことではありません。女性の割合が多い仕事も増えてきました。それでも、女性が一生の間に経験できる仕事は限られています。そんなときにはこれを読んで、この職業って大変なのね・・・なんて想像を働かせてみるのもおもしろいかもしれません。
おもしろいのは第2章の『「女」という職業』ですね。女子小学生から嫁・姑、おばあさんまで、女性が一生のうちに何度か受ける「称号」について書かれています。
ほうほう、と思ったのは女子中学生と女子高生。女子中学生は何においても不完全燃焼、「隠す」ことに生きる道がある、と。おしゃれはしたいけどお金はない。文化祭など学生らしいことはしたけど受験も気になる。からだはまだできていないから大人には太刀打ちできない。何かかわったことをしたくなる。でも無邪気さでは小学生にはかなわない、大人の魅力では高校生に勝てない。そこで、成長してきた胸を隠す、ニキビを隠す、親の財布から札を抜いたことを隠す、恋心や性欲を隠す・・・。すべてを隠し通し「大人はわかってくれない!」と不満を漏らす。しかし、こんな「暗い過去」があってこそ中学生なんだとか。
女子高生は「規則というロープに縛られるM嬢」だそうです。校則、制服、門限などに縛られて「私は自由になりたい」と言っているが、この縛りこそ、女子高生の醍醐味。縛られることができるのは女子高生までなのです。そして女子高生は生ものと一緒。人生における刺身の期間なのです。これには、うんうんとうなずいてしまいました。卒業以降はいろんな味に加工することはできるけれど、新鮮な刺身に戻すことはできないのだと。まさにそのとおりですね。また、加工したときにいい味を出すには、いい刺身であることが大切だと書いてありました。
女性が仕事をしていくのは結構大変なんです。でも、違った角度からこんなおもしろい見方ができたら、少し気が楽になるかもしれません。