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マイクは死んでも離さない―「全日本プロレス」実況、黄金期の18年

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
日テレ社員としての、優等生的、全日本プロレスでの仕事記録。 ★★★☆☆
 暴露本を期待していたわけではないのだが、紙プロや宝島ムックなどで、これだけ裏話的内容の本が出されている状況下において、本書はあまりにも表層をなぞっただけというか、濃厚な味わいがなさ過ぎた。

 記者やレスラー・レフェリーなど当事者らであれば、ここまでは書いても良いという自分の中での決め事をもっていて、それに従って読者の好奇心をそそる内容のモノが書けるのだろうが、著者はビジネス相手の放送局社員であり、レスラー・団体は商品との意識も強く、書けない部分は前者よりも格段に多かろう。
 TV朝日の古舘伊知郎氏もプロレスに関する本を数冊出してはいるが、高橋本以前でもあって、TVに則ったモノでしかない。

 そこに踏み込んでるとかろうじて言えるネタと言えば、ブッチャ−・ハンセンらの引き抜き合戦が、両団体の“取引”と書かれているところか。
 しかしそれにしてもサラッと流され、踏み込んで書かれているわけではなく、斎藤文彦的オフ・ザ・リングについてのエピソードも鶴田・三沢について少し触れられている程度で、TVの延長としての役割しか果たしているとは言えず、当時の全日中継をたまらなく愛する読者以外の、コアなファンには満足いき難いできと言えよう。

面白くなくはないのだが…… ★★☆☆☆
この本の内容じたいは、まあまあであって、著者にはプロレス愛を感じる。
ただし、この倉持氏はレスラーとの交友関係は良好であったかもしれないが、
プロとしてどうか? となれば、当時のテレ朝実況陣である舟橋アナ、古館アナの情熱と力量には
及ばないし、比ぶべくもないだろう。
まず、凶器を「武器」と称してしまうし、全日本中継でありながら、
トぺが出ると「ドラゴンロケット」と絶叫。
よくもまあ、クレームがつかなかったというか、それだけ日テレがプロレスを軽く見ていたのだろう。
その結果が、いまやテレ朝の一局時代を招いたというのは、うがち過ぎた見方か?
ともかく、私などは倉持氏の曲がった実況、間違った表現にはうんざりしていたクチなので、
いまいち今さらなんだよなあ…という感覚も抱いてしまうわけです(苦笑)。
面白くて、感動的で、愛情をたくさん感じて!! ★★★★★
私はいわゆる「馬場派」でした(照)ので毎週土曜日の午後5時半から始まる「全日本プロレス中継」を小学校時代欠かさず見ていました。うちの母が思わず「相撲の解説みたいね」と言った山田隆さんの名解説と倉持アナウンサーの名コンビが奏でる日本テレビのお家芸「正統派スポーツ実況」にしびれていた世代です。猪木派・ワールドプロレスリングに人気面でも押された感があったのは子供ながらにわかっていましたが、だからこそなおさらいっそう思い入れを持って応援していました。本書でも触れられているハンセンの全日本登場の時は本気で驚きましたし、日米5大決戦やグランドチャンピオンカーニバルには心ときめかせて観ていました。プロレスが本当に輝いていた時代だったと思います。文字通り「釘づけ」になって応援したものです。あれから30年近くが過ぎました。プロレスから遠ざかる現在ですが、本書は一気に読んでしましました。当時を、一歩引いた「読書案内」のような感じで綴られる倉持さんの文体に、そして私のような当時の視聴者が読んでもひしひしと伝わるプロレスへの愛情、さまざまな思いがあったでしょうけど、子供たちの夢みたいなものを壊さないようにしたいという配慮も感じ、倉持さんの誠実なお人柄に接したようにうれしく思いながら読み上げました。本書にはサラリーマンの悲哀、テレビ業界のビジネスとして成立しない番組の運命など淡々と綴られています。今の私にはそちらの方も実感を持って読めました。本当に全日本プロレス中継が大好きでした。あの時代は、今でも私の心の中に生きています。精一杯やりつくした人だけが持つ後ろを振り向かない倉持さんの姿勢にもすがすがしさを感じました。また本書の影のMVPは息子さんの二郎さんです。(本書を読んでいただければわかります。とても素敵です。)あの時代に熱狂した全ての人達に読んでいただきたいし、みんなで語り合いたいなあと思いました。(周りに話せる人がいないんですよ(笑))
「誠」の一冊。 ★★★★☆
恐らくこの本を手にしようとしている(手にした)読者はかつての全日本プロレスのファンだけではなく、近年「紙のプロレス」誌で行われた、吉田豪氏による倉持氏へのインタビューをきっかけにして興味を持った向きも多いのではないかと思う。

しかし、あのあっけらかんとした大放談大会を期待して本書を読むと、少なからず肩透かしを喰うことになる。あくまで本書は、元日本テレビのアナウンサー、TVマンとしての視点に徹して書かれているからだ。また、先のインタビューの内容とは微妙に矛盾する点もある。

そして本書は、プロレスという特殊な世界にどうしても付いて回る暗黙の了解(氏は"プロレス的受け身"と表現)についても、真っ向からジリジリと斬り込んでいる。その行間からは"釈明"とか"懺悔"という言葉がどうしても浮かんでくる。正直、何度も「もういいよ倉持さん、そういう事はみんなわかってるんだから…それよりもっと楽しい話をしようよ」と思ったのも事実だ。それこそ、本書の後半に出てくる四天王プロレスを初めて見た時の氏の反応に近いものがあるのかも知れない。もし10数年早くこの本が上梓されていたら、氏は間違いなくミスター高橋氏と同じ扱いを受けていただろう。

しかしその後のエピローグを読むと、それがこうしてマイクの前に立ち続けた過去を書き残す以上避けられないことだったのがわかる。プロレスを愛するあまりこの世界に入った後輩の若林健治氏とは対照的な、「(担当する以上は)好きにならなきゃだめだよ」という先輩の教えのもと、必死でプロレスを"好きであろうとした"18年間。「実際に好きになれたかどうかはわからない」と結んでいるけれど、実は猪木ファンであることを告白するくだりを読む限り、もうどっぷりプロレスファンじゃないですか、と思う。でも日テレの一部門であった全日本プロレスを担当していた以上、仕事というフィルターを抜きにプロレスを考えることはできなかったのだろう。

そういう所を含め、積年の思いが包み隠さず、かといって媚びることもなく記されたこの本には、全日本中継を支えてくれたかつてのプロレス小僧達への誠意が詰まっている。読み終えてしみじみとした感動を覚えるとともに、ひとつの時代を創って最高のタイミングで現場を去られた、とことん格好いい人だとも思った。かつて確かに存在した、「テレビの夢」そのものだと。メガネスーパーの動きについてはどこまでご存知だったのだろうとも思ったが、それは訊くだけ野暮というものか。


P.S.プロレスの話題ではないものの、本の冒頭に出てくる「先輩の越智正典アナウンサーは、王選手のホームランボールがインパクトからスタンドに入るまでの時間が常に二秒半なのを度重なる取材で突き止めていて、実況ではその枠に入るようにホームランを連呼していた」というエピソードには心底痺れた。これもまた、「テレビの夢」である。
凄く面白い本でした。 ★★★★★
全日本プロレスの歴史=倉持隆夫の名実況であると今でも、信じて疑わない私。

そんな倉持さんの本が新潮社から出たので迷わず購入した。

倉持さんは御自身のブログでもプロレスのことには全く触れていなかった。

何でプロレスの話題には触れてくれないんだろうと思っていたが。。。

彼がプロレスに対して、日本テレビ(会社勤め?)に対して、苦悩していたという事実をこの本で初めて知ることになる。。。

悩みながらも18年間も全日本プロレスファンを楽しませてくれていたのだ。

そんなこと全然知らなかったよ、倉持さん。

またこの本では、倉持さんのプロレス実況に対する熱い思いも同時に知ることができてとても面白かった。

この本の一番最後に書かれている文章を、1990年までの全日本プロレスファン、倉持さんファンはぜひ読んでほしい。

私は、涙が出ました。

この本こそが、今では、私の“全日本プロレス”です。