インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

ア・ルース・ボーイ (新潮文庫)

価格: ¥380
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
不安定さと質実感が交錯 ★★★★☆
 大人でも子供でもない17歳。子供時代の体験を通して心に傷をもつ主人公は名門進学校を中退する。そして、私生児を生んだ友達と赤ちゃんとの「ままごと」のような生活。

 私は主人公の不安や焦燥や心の痛みを感じとりながらも、短いストーリーの中で不相応なぐらいの分量を使って書かれる電気工としての質実感に共感した。

 自己の確立に踏み出す、不安定さと質実感が交錯するその短い時間を切り取った作品。
 読むのが心地よいばかりの作品ではないが、青春期にあって、さまざまに悩みながら「自分とは何か」を模索する(模索した)人にとっては、共感できる作品なのではないでしょうか。
ア・ボーイ ★★★★☆
17歳、少年が子どもの為に働くという内容ながら ルース・ボーイ 現場から帰って18の誕生日を過ごす頃には彼女も赤ちゃんも両方いなくて 自由と大人に対し主人公の潔さが良かった。
活「欲」 ★★★★★
自己を確立させようとする「ぼく」。ただひたすらに自分の信じたものに向かって突進していく様は、何物よりも強い。自己の内に秘めた強靱な「闘」の精神の中に、弱々しくも大事な者を守ろうとする姿は、この本の裏表紙に書かれているとおり、崇高である。
この「ぼく」の中に流れている欲は、美しい欲だ。人間はこういう欲こそ持つべきだと思う。

ちなみにこの作品は、91年の三島賞を受賞している。
当然の結果だろう。
この作品のほかに、どんなものがあの賞をとるべきだというのだ?
起転承結。でもその"承"が面白い ★★★★☆
仙台の有名進学校(仙台一高がモデル)に通う高校生が学校を中退。中学時代の彼女と,彼女が産んだ赤ん坊を狭いアパートにかくまい,仕事を覚えながら現実を見据え,徐々に前を向くようになるという物語。

この物語,クライマックスらしいクライマックスがありません。いや,もちろんあるんですが,物語全体におけるポイントはそんなに大きく無いと思います。起承転結ならぬ,起転承結。主人公がふとしたきっかけから電気工見習いとして踏み出すあたりが,読んでいて一番,主人公がカッコよく見えました。

「起転承結」と書きましたが,ガテンな世界で成長して行く日々が,作者自らその経験もあるだけにリアルに語られます。その過程が,いわば長いクライマックスなのかもしれません。そして最後に,彼の成長がある形で結実します。
うまい ★★★★☆
 十七歳。子供をかかえ、学校を中退して仕事を探すぼく。
 語り口、ストーリテリングは絶妙。
 衝突、うちに秘めた悲しみの書き方もいい。
 まぎれもない名作だと思う。