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偽史日本伝 (集英社文庫)

価格: ¥780
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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軽い読み物としては良いが、パロディ外の誤訳はどうか? ★★★☆☆
邪馬台国から明治まで、歴史をネタにしたパロディ本。
軽く読めるところは良いです。
しかし【ネタ】部分を膨らませようとしすぎたのか、珍説・奇説を扱った「参考文献」ばかりをつなぎ合わせたといった印象です。

例えば、
紫式部日記における赤染衛門評の著者訳は、意訳を通り越して【誤訳】です。

「…でも中には、上の句と下の句が合ってない腰折れのひどいのもある。
要するに、背のびしてきどっている人で、憎らしいような、気の毒なような」
「(和泉式部、赤染衛門、清少納言の)三人束ねてぶった切ったような酷評である」

上の引用部を、著者は赤染衛門についての評と解したようですが間違いです。
ここは赤染衛門と対照的な人についての批判と捉えるのが一般的な解釈です。
ですから紫式部日記による三人への評は、
「和泉式部→やや悪、赤染衛門→尊敬、清少納言→酷評」となります。
(高校の日本史や古文で習うことですが)

パロディ部分はいくら荒唐無稽でも楽しければ良いと思うのですが、
それ以外の部分での明らかな間違いはどうかと思いますので、星3つです。
楽しい歴史のお勉強 ★★★★☆
タイトルからして「魏志倭人伝」のパロディで、ふざけた歴史物のようだが、中々どうして教えられる所が大きい。作者は教師志望だったので、こうして愉快だがタメになる授業をしたかったのではないか。特に固定観念を持つ事の怖さ・滑稽さを訴えている。

邪馬台国はたくさんあったという「おそるべき邪馬台国」。清少納言と紫式部の争いを描いた「封じられた論争」。北畠親房をオチョクッタ「日本一の頑固親父」等。

例えば、近年の発掘によって4世紀頃、北九州にも近畿にもある程度の規模の集落があった事が知られている。すると陳寿の頭にあった「邪馬台国」は西日本のどこにあってもおかしくないのである。また、「日本一の頑固親父」を読んで、私は南北朝の様子を楽しく勉強させてもらった。

既成の概念に捉われず日本史を楽しく勉強するための最高の贈り物。
こんな教科書があれば ★★★★★
日本の歴史の有名な出来事を清水さん流に空想力を(大胆に)働かせて纏めた「珍説・日本の歴史」

「京の五条の橋の上、月の明るい夜、薄衣を肩にかけ、目にもあでやかななりをして、
 しかも横笛を見事に吹いているのである。どう考えてもパカである。」(←ここでぶぶっと笑ってしまったよ)

と文章が面白いのもあるけど、引き付けられたのは取り上げる人間の真っ直ぐな情熱だ。
北畠親房、吉田寅次郎。この人達はもうバカ正直過ぎて泣けた。
そして寅次郎のとこの藩主毛利敬親がまたいい味出してる。

幕末から近代の、学期も押し迫って駆け足で通り抜けるところはさっぱりの私ですが、
この本を読むと多少(いや、かなり)作っているとはいうもののニュアンスがすごく伝わってきて、
これが教科書だったら(まず採用されまいが)歴史の勉強が楽しくなるのになぁ。

桂小五郎がクーデターであやうく死にかけた所を鞍馬天狗に助けられ、
杉作に化けて逃げたという話は本当なのだろうか?
歴史の勉強をしてみましょう ★★★★☆
タイトルからしておもしろいこの本ですが、やはりおなじみ清水先生の
パスティーシュ。素晴らしいなぁとまたしても感心してしまいました。

蘇我入鹿暗殺の日、日本にテレビがあったらさぁどうなるか。朝から晩までワイドショーはこの話題で持ちきり、専門家の方々の意見を聞きましょう、と「大騒ぎの日」や、源義経の正体は、顔だけが美しい名も無き街のチンピラで、本物はその従者、弁慶だった「苦労判官大変記」、坂本龍馬を救うために、未来からターミネーターがやってきた「人生かし峰太郎」などなど、おもしろくも時に切ない作品がいっぱいです。
しかし、これは多少の歴史の知識がないと楽しめないのが難点。
かくいう私も、元ネタの歴史がわからず、苦労したりした話もありました。ですので、これを機に、歴史の勉強をしてみてはどうでしょう。知識も付き、この本をよりいっそう楽しめるかと思います。

ただし、この本で歴史の勉強はしない方がいいかと思われます(笑

日本っていいねぇ ★★★★★
文庫本があるのを知らないで重たくて肩の凝りそ~なハードな単行本を買ってしまいました・・悔しい。個人的には単行本の方がデザインがかわいくて好きなんだけど。(紐付きだし・・・)
内容は文庫の方で評価されてる通り、いいよ。
シリアスなものから、笑えるやつ、ありえないやつ、SF・・。作者はちょっと日本史で遊びすぎだよね。

私はなかでも「大騒ぎの日」っていう話が微笑ましくて好き。
ネタばらし気味だけど、飛鳥時代にTVがあって、ワイドショーがあったら(本文にはないけど、多分TBS系だろう)どうなってたのか?という話。確かに、あの頃の方がワイドショーの中身はセンセーショナルで面白かったかも・・なんて思いながら読んでしまう。