闇の戦い
★★★★★
ついに童貫が梁山泊との対決を決断します。高きゅうに講和の噂を流してでも時を稼ぎだい梁山泊ですが、それすら見透かし楽しみに待ち構えます。その間も致死軍や飛竜軍対青蓮寺の暗闘は続きます。こちらも決着をつけるかのように、戦いの規模が大きくなってきました。
彗星のごとく登場した聞煥章でしたが、最近はめっきり活躍も減り、扈三娘に対する想いも人並みということが発覚。久しぶりの高きゅうの出番に比べ霞んで見えます。蔡京の推薦の割に蔡京との繋がりは特になく、青蓮寺に対しても脅威の存在に成り得たかもしれないのにと思うと残念です。もう少し成長させて欲しかったです。
呉用について新しい呉用像を作りたかったのかもしれませんが、同志に嫌われる要素が伝わらず、わざと好かれないようにしているのかと思っていました。その点、史文恭はダークヒーロー的存在ですがずいぶん成功していると思います。
死に行く者たちへの思い
★★★★☆
前の巻で宋軍と休戦した梁山泊だが、その間にも闇の戦い、暗殺合戦が続く。
それにしても人が死んでいく話だが、敵、味方問わず、死に行く者への筆者の視線はやさしい。
最後に李師師という面白そうな人物も登場し、来月が待ち遠しい。
『水滸伝』(1〜19/替天行道:北方水滸伝読本)
★★★★★
書き始めると止まらなくなりそうなので…
原典の『水滸伝』を凌駕した最高峰の中国史小説でした。
そして、読んだ全ての人それぞれに違った想いを抱かせる、枠に嵌らない作品だと思います。
一読の価値は間違い無しだと思います。
袁明抹殺!
★★★★★
堂貫の出撃で一挙に追い込まれた梁山泊軍。
このまま追いつめられるか?と思ったが、因縁の青蓮寺総帥である袁明を抹殺!
しかし、堂貫が出てきた今、袁明を葬り去ったところで、もはや流れを変えられるほど重要な相手ではなくなっているところが悲しい。
さらに、李冨が生き残ったため、青蓮寺自体も存続している。
傾きかけた流れはやはり押し返すことはできないのか?
暗闇に光を。
★★★★☆
前章とは異なりこの章では、
明るい場所での戦いから暗い場所での戦いに変わります。
暗躍する二つの影が、静かにかつ陰湿に忍び寄る。
最後のクライマックスに向かい、じっくり演出。
影が煌く馳驟の章。