サイバーパンク以後、もっとも重要な作品の一つだと思う
★★★★★
原書では読んだんだけど、かなり難しくて、翻訳されるのを待っていた。しかし、やはり、日本語で読んでも難しかった。
ストロスは、最近のSF作家の中ではお気に入りの作家の一人。『シンギュラリティ・スカイ』を始めとした翻訳された作品はどれも読んでいるけど、この『アッチェレランド』は評判もよく、ローカス賞受賞ということもあり、読むのを楽しみにしていた。
主人公のマンフレッドは、未来のハッカー。というか、20世紀のハッカーの正当な後継者って感じ。オープンソースムーブメントの行き着く先はこんなんだろうなぁって思わせる。
話は、彼から始まり、彼の子孫たちの年代記の体裁をとっている。その間、どんどん、コンピュータの計算能力が高まり、シンギュラリティを迎える。そのとき、人類はどうなるのか?
詳しく書きたいけど、ネタバレになっちゃうので書かないけど、想像力に飛んで入るが、ありうべき近未来として非常に説得力がある内容。サイバーパンク以後、ポスト・サイバーパンクの最重要な作品の一つだと思う。
内容は難しいけど、丁寧な訳者の補遺と小飼弾氏の解説をあわせて読むと多少は理解できたような気がする。