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第四の扉―ツイスト博士シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

価格: ¥1,155
カテゴリ: 新書
ブランド: 早川書房
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《ツイスト博士》シリーズの第一作 ★★★★☆

密室、幽霊屋敷、交霊会、奇術趣味、分身などの不可能犯罪とオカルティズムの
ガジェットを、長編としては短めの分量の本作のなかに、これでもかと盛り込んだ
カーへの偏愛が溢れるアルテのデビュー作。

とはいえ、カーのつもりで読んでいると、後半のツイスト
の利いた意外な展開に意表を衝かれることになります。

そこで見られる、メタフィクションを用いたどんでん返しのつるべ打ちは、
カーというよりは綾辻行人の作風を彷彿とさせ、作者がトリックメーカー
というより、プロットに意を尽くすタイプの書き手であることを窺わせます
(事実、タイトルに暗示されているメインとなる密室トリックも、××と同じ
 原理のシンプルなものしか使われていませんし)。


また、法月綸太郎的な《名探偵の失敗》をプロットの牽引装置とすることで
皮肉な真相を導き出すという手法も採っており、そういった意味でも、日本
の新本格ミステリとの海を越えた同時代性とでもいうべきものを感じました。




カーを後継するメイントリック、サブはロースン的トリック、ちょっぴりコージー? ★★★★☆
ツイスト博士シリーズ1作目。
作者はフランス人だが、舞台はイギリスであり、
ジョン・ディクスン・カー を後継する作品である。
最初は主人公の名はギデオン・フェル博士だったが、
著作権の壁を突破出来ずに、
オリキャラとして微修正したそうな。
幽霊が犯人としか思えない密室殺人が連続するが、
見事に説明付けます。
実はメタフィクションだが、
そう書いてもネタばれにならない捻りが、
殺人事件のトリックと犯人を指摘した後に待ち構えてます。
ジョン・ディクスン・カー の後継というよりは、
クレイトン・ロースンではないか?
という突っ込みをしたくなる人もいるかもしれないが、
怪奇趣味はジョン・ディクスン・カー の再来ということで。
超常現象を信じたい人には、
輪廻転生が起こったと解釈することも可能です。
本格ミステリですが、出だしはコージーかよ!
と思うほど軽いので、
妹萌えのライノベしか読んだことの無い人もサクサク読めるでしょう。
二重三重のどんでん返しの締めは、
トドメの指摘セリフで終わる、
無駄がほとんどない本格ミステリです。
カーの再来というのもうなづける ★★★★☆
フランス・ミステリというと、
ノアールやアリバイ、幻想小説という印象があるのだが、
こうした作家の登場は本当に嬉しいものだ。

全体的に上品でしっとりとした感じの雰囲気で、
フランスというよりもむしろ英国の香りがする。

ユーモアやウィットも織り交ぜながら、
また、英国独特のもって回った言い方をふんだんに散りばめながら、
二転三転のドラマは進行してゆく。

密室や心霊現象、旧家、複雑な人間関係とあいまって、
とても良い雰囲気を作り出している。
そして、簡単なようで見落としがちなトリックの妙は、
痛いところを突かれたという感じだ。

頼もしい作家の登場である。
ツイスト博士に拍手 ★★★★★
数十年前に書かれた小説が数年前に日本で読まれるようになったらしい。
こんな面白い小説が日本語で読めて とても感謝したい。

怪奇とも思わせる内容の密室殺人を理論立て謎を解く ツイスト博士に拍手を送りたい。

最後のページで ぞっとするような怖さが待っていようとは・・・。
ポール アルテ・・・これからも読んでみたい 気になる小説家かな。
今でも海外に本格ミステリ作家がいたとは ★★★☆☆
1950年代以降、本格ミステリを書いている作家は日本人だけかと思っていた。それが、何とカーを信奉し本格ミステリを書いているフランス人作家がいるとは ! 本作は、密室、交霊会、幽霊屋敷、二人一役等まさしくカーを思わせる道具立てを取り入れたもので、ファンを嬉しくさせてくれる。が、結末の合理性を意識するあまりか、全てがあっさりし過ぎていて物足りない。長いだけで中身が無いのも困りものだが。その他、作中作ともう一つの仕掛けがあるのだが、これは無い方が良かった。驚く程のアイデアではないからだ。それより、もっと「濃い」味を出して欲しかった。今時、本格ミステリを書く貴重な海外作家なのだから今後も頑張って頂きたい。