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民族と国家を超えるもの―司馬遼太郎対話選集〈10〉 (文春文庫)

価格: ¥550
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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司馬さんも一目おく人。 ★★★★☆
博学と志の巨人、井筒俊彦さんとの対談では、さすがの司馬さんも話す側から聞き役になってしまったようだ。
対談中、井筒さんが、「アッラーと真如」の章で、モンゴル帝国とイスラーム帝国が衝突した後、イスラーム哲学が変わったとの話から、司馬さんの「空海の風景」を引用して話し始めた。
空海が絶対者として大日如来を形に構想しなおして、宇宙全体を組織しなおすと書いている、と司馬さんが書いた空海像を肯定した発言をしている。
井筒さんは、”少なくとも大乗仏教では普通は絶対者は真如、つまり「空」と固定され、「縁起」と同定されるようないわば抽象的なメタフィジカルな絶対的実在原理ですね。それが、空海においてはメタフィジカルなままで大日如来という特異な姿をとって現れてくる”と語り、”イスラームでは不思議にもモンゴル衝突後、全く反対方向の「真如」的な理念として思想的に働き始めた”と締めくくっていた。
イスラームにおいてアッラーが真如として華厳経の光として存在するように変貌していったのではないかとも語っている。
その後、ユングの子供のころの夢の話から、無意識へと話が進み唯識理論から阿頼耶識までくると難しい。
両氏が語る話がますます難解になってきたが面白く読み終わった。