香納諒一が好きな人にはおすすめ
★★★☆☆
香納諒一の作品が好きか否かは、
つまるところ、
香納諒一の女性観が好きか嫌いかということに収斂されるのではないだろうか。
香納諒一が描く女性達に魅力を感じる人は、
香納諒一の作品は非常に魅力的だし、
そうでない人にとっての香納諒一の作品はとんでもなく陳腐なものに
見えてしまうだろう。
私自身、香納諒一は好きでも嫌いでもないが、
いいハードボイルドを書くという印象を持っていた。
そこで、この無限遠だが、
やっぱり古さを感じさせられる。
1993年にかかれたものと知らずに読み始めたせいかはわからないが、
古色蒼然としてしまっている。
それに、話の出だしがとてつもなく、陳腐。
ネタばれになるので詳しく書けないが、
興味のある方は、最初の30ページまでを読んでみるといい。
このレビューの最初の3行がよくわかっていただけると思う。
このシリーズ、2作目が出るらしく、
その前ふりとしての文庫再刊だと思うが、
今この時代に、
飲酒運転を奨励するかのような作品を再度世に出した、
出版社の良識は、疑わざるを得ない。