宗教って…
★★★★☆
二回観て、やっと内容を理解出来たかな?
若い男女の三角関係と思いきや、もっと深い社会的な問題を提起してるなぁと感じました。
あまりに信心深い母に育てられた子供達の悲劇。良かれと思っていた教育が、ただ親の所有物となってしまい、子供達の自由を奪っていた事実。
現代の家庭にも共通する問題だと思いました。
生まれて来る場所を選べない子供達が、犠牲者になるんですね。
全体の風景が綺麗です。個人的には、主役男性二人の絡みがもっと観たかったです。
愛憎を生み出す三角関係
★★★☆☆
愛をとるか、友情をとるか。相手は貴族の兄妹、セバスチャンとジュリア。チャールズはその狭間に挟まれ葛藤する。
文芸作品であり、難しい映画であった。宗教の問題、家柄についての見解、そして同性愛を普通に映し出し、深い映画だと思った。
国、時代、境遇。そのすべてが違う今を生きる人々が観て、どれだけ共感できるかが評価の分かれ目だと思う。豪勢な邸宅に住みながらも、縛られた生活を送る兄妹。その二人に愛される一人の男。そんな三人の三角関係、心の推移が印象的でした。
原作小説がお好きな方にはちょっと・・・。
★★☆☆☆
本作は、英国出身のカトリック作家、イーヴリン・ウォー(Evelyn Waugh: 1903-1966)の小説「Brideshead Revisited(ブライズヘッド再訪)」を基にしているが、原作をコンパクトにしただけでなく、ストーリー自体も「興味本位」な方向にかなり脚色されている為、小説をお読みの方がご覧になると、驚かれるかもしれない。
原作本来の主題が薄れた上に、全体の掘り下げも甘いため、E.トンプソン、M.ガンボン、P.マラハイド等の好演はあるものの、各登場人物の魅力が半減した感は否めない。
1981年、英・グラナダTVでドラマ化されて居り、こちらの方が原作に忠実である。(全11話。出演は、J.アイアンズ、L.オリヴィエ、J.ギールグッド等。)
後年、NHKでも放送され、現在入手困難ではあるが、「華麗なる貴族」の題名でVHS化もされているので、原作の雰囲気がお好きな方はこちらをご覧になる方が良いでしょう。
本作DVDの特典映像内で、ジャロルド監督が「原作小説と旧作TVドラマを意識し、今回は別の切り口での映画化に踏み切った。」という風に述べているが、私見としては、これが全く裏目に出た印象。
尚、この新作と旧作、共にブライズヘッドの「屋敷」として、同じヨークシャーの「ハワード城」を使用しているので、双方の撮影を見比べてみるのも面白いかも。
原作の邦訳は、吉田健一氏の訳で筑摩書房(もしくは、ブッキング社)出版の「ブライヅヘッドふたたび」、小野寺健氏の訳で岩波書店から「回想のブライズヘッド」の2種が入手可能。
雰囲気のあるクラシックな文体がお好きな方には吉田訳、現代風で読みやすい物が良い向きには小野寺訳をお勧めする。
情愛と友情
★★★★☆
第一次世界大戦前までの大英帝国を支えた貴族社会の薫り深い映画です。
知的で奥床しいが、人生を肯定的にとらえて前向きに努力して画家を目指す自称無神論者の主人公チャールズにとって、内向きで退嬰的な貴族の家庭やカトリックにのめり込む母親の呪縛絡まれてそこに生きる人々は一時的な憧れの対象であっても所詮生理的に受け入れられない別世界であったようです。
「貴族」は、その時代滅び行くひとつの美学と包括出来るかもしれません。
映画の中のセバスチャンを取り巻く侯爵一家もその存在自体が美しいが、彼らの住む城や英国の田園風景も秀逸で、それだけでも楽しめます。。