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ぼくの大好きな青髭 (中公文庫)

価格: ¥780
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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全部読んでこその「薫クン」シリーズ ★★★★☆
理不尽な大人の社会をひた描いた末に迎える終章がいい。
赤白黒青4部作のうち、なぜかこれだけが絶版になっていた。祝文庫化。
空に月ロケットが飛んでいる、あの時代に ★★★★☆
はるか30年前、例の「赤、白、黒、青」の中では一番インパクトがない本だった。
ところが、21世紀も3年目に入った今になって改めて読んで、恥ずかしいほど感動してしまった。
月ロケットアポロ11号が宙を飛んでいる真下の地球の、日本の、新宿。
薫くんは「古い麦わら帽子に木のつっかけサンダル、古い昆虫網を小脇に抱え、サングラスに八の字型の付け髭をつけて新宿の街に出現する。
生きるってことはばかばかしいほど簡単で、でもすごく難しい。夢はどこまで見続けることができるんだろう。
僕の大好きな青ひげ ★★★☆☆
中一の時「赤頭巾ちゃん・・・」を、大学生に勧められ、それから「青ひげ」が発表されるまで、どれだけ待った事か。
ただ、自分の中では「白鳥の・・・」が秀逸で、「青ひげ」は少々がっかりした事を思い出しました。
たまたま、同じ職場の女性に「赤頭巾・・」を勧めたところ、「4部作を全部読みたい」と言われ・・・・「青ひげ」が絶版との事。
おそらく古本屋にも無いでしょう。
なんとかしたいもんです。
「若者の夢が駄目になるということは・・・」 ★★★★☆
「赤頭巾ちゃん気をつけて」からの薫クンシリーズ4冊目、完結編。 やたらと「若いエネルギー」(!?)が溢れていた当時(1969年)の新宿に、主人公の薫クンは出かけていく。そこで出会う人尽くに、何故か考えてること感じてることを懸命に話しかけられ、薫クンはまるで自分の問題みたいにすっかり考え込む。彼が考え込むのはいつものことだけど・・・。 自殺を図った同級生、その仲間が作った「葦船」というスナック、月に飛んでいくアポロ11号、解釈するだけで自己完結してしまうコマネズミ達、etc.がまるで時代の「風見鳥」になって示すものは。 薫クンの親友・小林曰く、「若者の夢が駄目ということは、要するに言葉の本質的な意味において、青春がなくなるってことじゃないか?」

実際なかなかに深刻なはずの問題が、相変わらずの(むしろ磨きのかかった?)軽妙な文章で語られてます。ほんとに読みやすくて、笑えて、でも切実。「若者が世界を動かすという夢」が滅びた感覚は、今の方がもっと身近にあるだろうし、すごくしっくりくると思います。 薫クンシリーズは、何度読み返してもいい本です。今ではあまり(特にシリーズ4冊目のこれなんて)売れてないようですけど、心からお勧め。 同じく庄子薫の「バクの飼い主をめざして」とかと一緒に読むと分かりやすいかも。