出版社は淡交社。と知って、やはり、と思う。この美しい装丁は。しっかりしたグレ-のカバ-から本を取り出し、オノ・ヨ-コの瞳が浮かび上がるモノクロの表紙をみたとたん、その視線のあまりにも透明な意識が体をつきぬける。中表紙で、また、ヨ-コの瞳といつもの意志の強い眉、顔にはりつくようについている耳に出会う。そして、インストラクション(日本語と英語、両開き)の展覧会がはじまる。このインストラクションを読んだら、自分の写真集を作りたくなった。ヨ-コは、人々の中のア-ティストを呼び覚ます人なんだな、と思う。
もし、この展示を見に行っていたのだとしたら?想像してみるだけでわくわくする。見る人が参加しなければできあがらない展覧会なんて、なんて楽しくてたまらないのだろう。
こんなすてきなことが、本になって、売られる、そういう、時代がきたんだ、と思うとうれしくてたまらない。