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コルシア書店の仲間たち (文春文庫)

価格: ¥490
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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優しさにあふれた文章 ★★★★★
 NHK教育TVで、須賀敦子さんの生涯を紹介する番組が再放送されたこともあって(2009年10月18日)、本書をもう一度読み返してみた。須賀さんは1960年代の初期、縁あってミラノのコルシア・ディ・セルヴィ書店に出入するようになる。本書はこの書店の仲間、出入する友人・知人を、時には優しく、時にはその不可思議な個性を好奇心をもって、その流麗な筆で描ききったエッセイである。既に多くの人々からの評価の高い名文に溢れている。
 本棚に置いておき、しばらく読んでおかなくても、久方ぶりに読み返してみると、時の経つのを忘れて読むのに熱中してしまうような本、そのような魅力に溢れた文章である。
 死後10年以上経った今も、いやこれから何年にもわたって彼女の著作は読みつづけられることになるだろう。
 単行本のほか、文春文庫、白水Uブックス、河出文庫といろいろあるのもいい。
完成された文章 ★★★★★
著者が暮らしたイタリアでの生活。

なにげない日常が著者の文章で、
格調高く魅力的な日常に感じる。

ふとした例え、さりげなく飾られた文章。
余韻が漂う美しい文章です。
青春への鎮魂歌 ★★★★★
須賀さんの優美な文章でつづられた、十一の短篇。

それらは個々に完結した物語であるが、描かれた人々の結びつきが、全体として閉じた、おだやかな世界を見せてくれる。

この一冊は、ミラノでの青春への、明るく澄みわたった鎮魂歌である。
簡潔で読みやすいのに、奥行きがあり美しい文学的な作品 ★★★★★
著者が若い頃に移り住んだミラノの町にある小さな書店。夫となる人も含め、より良い社会の実現を目指し、理想に燃える仲間たちの姿を丁寧に描写している。

年月を経て、夫から取り残され、やがては町の住人ではなくなっても度々イタリアを訪れ、かつての仲間や友人たちと短い時間を共にする作者が、様々なエピソードをつないでいく。時として時間軸や場所が交錯し、章の最後まで読むと、霧が突然晴れるように全体像が見渡せるようになる。パズルのかけらを一つ一つ集めて一つの風景を創作していくような、繊細かつ大胆な構成が見事である。口語のような印象を与える柔らかさを持ちながらも、深みのある文学的な気品を失わない言葉を、練りに練って贅肉を落とした簡潔な文章にまとめ、軽快なテンポを保っている。文学作品を翻訳するという作業に長年携わってきた中で鍛え上げられた職人技とセンスが素晴らしい。

何度も読み返したくなる本 ★★★★★
巷に氾濫するひたすら明るく陽気なイタリアを謳った本とは一線を画したうつくしいエッセイ。 イタリア事情や文化・言語についての著者の落ち着いた洞察と豊かな知識が窺え、安心して読めます。

また、磨きぬかれた日本語が読んでいて心地よく、文章やことばのひとつひとつを選びに選んで丁寧に書かれているので心の奥まで情景が沁みとおり、気持ちが穏やかになります。 深くイタリアに取り憑かれている(?)友人、イタリアでの滞在を決心した友人などに是非読んでもらいたく、しばしば贈っている本です。