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冷静と情熱のあいだ―Blu (角川文庫)

価格: ¥480
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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順正がすきです ★★★★★
わたしは女ですが、女性の書いた小説があまり好きではないので、
「冷静と情熱のあいだ」もBluのほうが共感できたとおもいます。
主人公順正の、恋愛のウラガワにある家族の問題がふかく書かれています。

父親に愛されず育った、満たされることのない喪失感に
たっぷりの愛を注いで満ち足りたきもちにさせてくれたあおい。
じぶんだけを強く求めてくれる芽実。
そして、最愛の祖父の死…。
こういうと安っぽくきこえるかもしれませんが、
最後はもう泣きっぱなしでした。
すべてを失った順正はあおいを追おうとしたのだと思います。
あおいにはまだもどるところがあったからまっすぐ帰った。
順正には無かったから。

妊娠させたとか堕胎とかありがちなのはたしかですが、
それらはただの便宜的な理由であって、
もっとふかいテーマがしっかり肉づけされています。
描写も美しいです。修復所の、がらんとした感じがすごく好きです。

ただ、まわりの女性はみんなRosso派です。
両方読んでみてください。

一途に女性を想い続けた情熱の果てにある冷静 ★★★★★
主人公・順正は、イタリアで絵画の修復士として、祖父も名の知れた芸術家
だったという血筋からか、素晴らしい才能を発揮していた。
芽実という「一応」恋人と呼べる関係の女性も手にしていた。
なぜ「一応」かというと、どうしても忘れられない想いが、
順正の胸には秘められていたからで、その想いを芽実には悟られ
ないように付き合っていたからである。
それは、以前付き合っていた、あおいという女性との想い出である。

順正はあおいとの間に一つの約束をしていた。
その約束は、順正の心の中で「情熱」として長年灯っていた。
そして、その約束を果たした末に訪れる「冷静」。
最後まできてタイトルと内容が順正の心の内を反映しながら結びつく。


読み進めるごとに、順正の心の内や、あおいという女性との間に
あった出来事が明らかにされ、次第にストーリーに惹き込まれるように
工夫されている。

男の側から描かれた本書。この試み自体斬新であるし、私は(まだ読んだこと
のない)Rossoの方も読んでみたいという気持ちにさせられた本である。
気取ってる ★★★☆☆
赤よりも全体的にわかりやすい。
順正ははっきりとあおいを引きづっている。
物語も単調ではなく、印象的な出来事がいくつか起こる。

だが、文章全体が気取っているというか、自分に酔っている感じがしてあまり好きになれなかった。

視点を変えた赤の物語では、順正もあおいも印象がだいぶ違う。
お互いに相手のいいところばかりを覚えている。
この青だけを読むと、順正があおいに引っ張られているように見える。
だが実際は、あおいもまた順正に引っ張られていることが分かる。
同じ物語を違った視点で観るのは面白った。
不快 ★☆☆☆☆
薦められ読みました。
内容は昔の彼女が忘れられず、いつまでも、いつまでも、思いづづけている男の話。

いやいや!!
キモイから!!クドいし。生理的に合いません。
全然物語の中に入りこめなかった。読者置いてけぼりです。

物語の舞台だけかっこよくしても内容がこれでは人の心には響きません。ましてや心に残りません。

読んだ事を初めて後悔した本です。

一生懸命書いた本にケチつけるのは申し訳ないのですが、
こちらも一生懸命働いて得たお給料で買い、限られた時間を使い読んだ本がこれなら価値なしと言っても良いですね。
★無しが良いぐらいです。
企画だけでも高い評価ができると思う。 ★★★★☆
熱い情熱を秘めたあおいと順正の、それを制御するための冷静を持っているがゆえに生じる葛藤を、順正側から描いた作品。私はRossoから読み、こちらを後から読んだので、読み進めていくうちにRossoで感じたモヤモヤが消えていく感じがしました(男の目からしてもマーヴィンは完璧です)。順正の女々しさが嫌だ、という意見がありますが、私の考えでは、順正にこの女々しさ(情熱)があったからこそ、10年という長い期間ずっと思い続けることができたわけで、ロマンチックで甘ったるい順正とあおいの非現実的な恋愛をむしろリアルで緊張感あるものにしていると思います。