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偏微分方程式入門 (基礎数学)

価格: ¥3,570
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東京大学出版会
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第1部までで一通り学べる ★★★★☆
本書は偏微分方程式の物理への応用を記述した教科書である。なかなかここまで書かれた教科書はあまりない。数学的な方法を一通り勉強したいのであれば不向きであるが実力をつけるにはいいのかもしれない。しかし、略解くらいつけて欲しかったと思うのは自分だけだろうか。
解析学から見た偏微分方程式と現象との連関 ★★★★★
 これほどバランスのとれた偏微分方程式の本はあるまい。本書は物理学・機械工学的観点からみた偏微分方程式から初等解法、数値解析、抽象的な解析学的アプローチまでバランスのとれた内容となっている。
 特に第一部の現象と偏微分方程式の連関の考察が目立つが、しかし本書は物理数学の本ではあるまい。数学や情報科学を専門にしている方は別として本書で前提とされている解析学はとても非専門の方に要求できる分量ではない。
 また内容についても他の評価にもあるとおり、本書の後半はコンピュータシミュレーションや抽象的な偏微分方程式論の構造を解き明かす内容であって、非専門の方には全く不要の話である。
 解答無しに挿入されている問題に関しても純粋数学的な関心のあるものであって物理現象の考察に寄与するたぐいのものではなかろう。
 しかし逆に専門の方から見れば、とかく今までの偏微分方程式の本はもっぱら初等解法の内容でしかないか、または何ら現象と関わりのない抽象的な内容でしかないかのどちらかであった。この観点から本書を評価すれば偏微分方程式の意味論的解釈や数値解析をしつつ、その裏にひそむ解析学的構造にもアプローチできるという八方美人的内容である。解析学の基礎知識を一通り学んだ上で高等数学と自然科学一般との生の接点を探し求めるにはかっこうの教科書といえるのではないだろうか。
数理物理学の本 ★★★★☆
 数学と物理の中間のような本です。偏微分方程式の本でここまで現象論と数学的厳密さを掘り下げて論じた本は少ないと思います。

 全体は3部に分かれていて、第1部では熱伝導方程式や流体方程式などの具体的な現象の方程式をたてることを目的としています。数学専攻の人はそれらの定式化に曖昧さを感じるかもしれません。それ以外の人は変分法と多変数の微積分、簡単なテンソル代数などに慣れていないと途中で息切れしてしまうでしょう。

 第2章では偏微分方程式の解き方を7種類紹介しています。数学色が強くなっているので、数学科以外の学部生は求積法と変数分離法だけは身につけておきたい。

 第3部では偏微分方程式論を土台にした関数解析を論じています。難しい内容ですが、個人的には超関数の部分が面白かった。ここまでくるとかなりの解析学の知識が要求されます。

 全体を通して問題は本文に付随する形でついているが解答はありません。全部を読み通すのはきついが、理工系学生なら第1部だけでも読んでおいて損はありません。実際、境界条件や応用例などで他書には見られない面白さがあり、数理物理学の一端も垣間見ることができます。
 
 星4つなのは、もう少し定理の証明と式の導出を厳密にやってほしかった(証明がない定理もいくつかある)。